200911
最新医療ニュース
◆次期診療報酬改定の基本方針案を了承 (2009年11月25日)
2009年11月25日、社会保障審議会(厚労省諮問機関)は次期診療報酬改定の基本方針案を大筋で了承。年明けに中医協が基本方針に沿って具体的な点数配分作業を行う。
基本方針案のうち医療再建の措置として、「地域連携による救急患者の受け入れ推進」「小児や妊産婦を含めた救急患者を受け入れる医療機関の評価」「急性期後の患者を受け入れる後方病床や在宅療養の機能強化」「手術の適正評価」が挙げられた。
このほか充実が求められる領域としてガン、認知症、新型インフルエンザなど感染症対策、肝炎、精神科、歯科医療が挙げられた。
一方効率化の余地がある領域として、後発医薬品の使用促進、医薬品、医療材料、検査に関する市場実勢価格の反映が挙げられた。
そのほか、医療と介護の機能分化・連携の観点から効率的な急性期入院医療の推進や回復期リハビリテーションの機能強化、医療職種間や医療・介護職種間の連携強化の推進などを図る方向も示した。
◆レセプトオンライン化補助事業見送られる
2009年11月11日に行われた行政刷新会議でレセプトオンライン化に対する補助事業について検討がなされ「本来、自ら購入すべきものであり、あえて補助金措置の必要性ない」と結論付けられ、予算計上見送りとなった。その他医療関係の適正化・効率化について検討され、レセプト審査の適正化・効率化を図ることが採決された。これにより、今後国保連・支払基金間の競争が求められることとなった。
200905
最新医療ニュースダイジェスト
◆後発品促進へ医療機関に「指導」も
厚労省は20日の中医協総会で、医療機関や薬局に対し後発医薬品使用促進に関する療養担当規則を順守させる取り組みを新たに開始する方針を示した。2008年度診療報酬改定の影響調査で、使用に消極的な医療機関や薬局が一部あることが明らかになったためで、地方厚生局が行う「適時調査」や「集団指導」などの場を活用し、療担順守状況の確認や周知徹底を行い、必要に応じて指導もする。近く地方厚生局に通知する。(2009年5月20日)
◆国民年金と保険料 長期間の滞納で保険医取り消し?
年金と医療保険(社会保険)の長期滞納で、保険医療機関、保険医の指定取り消しについて報じられている。
◆社会保障費抑制の方針継続求める…財政審の建議原案
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が6月初旬にまとめる、2010年度予算編成に向けた建議(意見書)の原案が26日、明らかになった。原案は、与党内でも方針撤回を求める意見が根強い、社会保障費の伸びを毎年2200億円ずつ抑制する方針について、「歳出改革の基本的方向性は維持する」とし、抑制を続けていくことを求めた。
一方、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を11年度に黒字化するとした政府の財政再建目標について、目標達成は「困難になったと言わざるをえない」と指摘。ただ、目標自体は撤回せず、引き続き「プライマリーバランスの黒字化に向け、その道筋を示しつつ、その早期実現を図ることが必要」との見解を盛り込んだ。
長期的には、国内総生産(GDP)に対する国と地方の債務残高の比率を引き下げる重要性を訴えた。
財務省には、建議を通じて他省庁や与党からの歳出圧力をけん制する狙いがあり、提言内容を09年度の「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針)に反映するよう求めていく考えだ。だが、次期衆院選などをにらみ、与党内からは今後、社会保障費の抑制方針の撤回などを迫る声が上がりそうだ。
◆財政審建議原案の要旨◆
▼景気後退に伴う税収減と一連の景気対策により、財政悪化が見込まれ財政は危機的な状況
▼2011年度までの国・地方のプライマリーバランスの黒字化目標の達成は困難になったと言わざるを得ない
▼財政の持続可能性を確保する上で、国・地方の債務残高対GDP比の発散を止め、安定的な引き下げが必要不可欠。まずプライマリーバランスの黒字化に向け、その道筋を示しつつ、早期実現を図ることが必要
▼10年度予算編成は、経済状況に応じて弾力的に対応しつつ、「骨太の方針2006」の考え方を踏まえ、歳出改革を維持していくことが必要
▼医師確保対策等必要な対応を行う必要はあるが、社会保障分野も「骨太の方針2006」等に示されている歳出改革の基本的方向性は維持する必要がある (09年5月27日「読売新聞」)
◆米医療費196兆円節減へ、「国民皆保険」財源に
オバマ米大統領は11日、政権の主要課題の一つである国民皆保険導入に向けた医療保険改革の一環として、現行の公的保険制度の経費を見直し、今後10年間で支出を1・5%抑えることで2兆ドル(約196兆円)以上の節減につなげ、改革の財源に充てる計画を発表した。
同日ホワイトハウスで大統領と会談した病院や医師団体、製薬業界、保険業界の幹部らが節減目標を自主的に提案した。業界側には、政権に恩を売る形で今後本格化する医療保険改革の議論に一定の発言力を確保する狙いがあるとみられる。
大統領は各業界が歩調を合わせた意義を指摘。「すべての国民に手ごろで良質な医療保険」を目指す公約実現への「転換点となる出来事だ」と強調した。
医療保険改革はクリントン政権時代にも試みられたが、議会や業界側との調整が不十分だったことなどから挫折。オバマ政権は保険業界などを改革プロセスに引き入れ抵抗を最小限に抑えたい考えだ。
大統領は予算教書で、医療保険改革予算として今後10年間に約6340億ドルを要求。しかし改革に必要な額は1兆5000億ドルに達するという見方もあり「大きな政府」を嫌う共和党を中心に根強い反発がある。(09年5月12日「ワシントン発共同」)
◆茨城県医連幹部、自民県連を集団離党へ
茨城県医師連盟は5月13日、常任委員会を開き、自民党茨城県連医療会支部から脱退する方針を決めた。自民党籍のある原中勝征委員長と副委員長10人が14日、離党届を提出する。委員長、副委員長を除く常任委員のうち、党籍のある32人も離党の意思を示しているという。
県連医療会支部には党籍のある医師連盟の会員(494人)やその家族、従業員など3472人が所属しており、県医師連盟は早急に意思確認を行う。党員の継続を希望する場合には、その意思を尊重する。
県医師連盟は、後期高齢者医療制度に強く反対し、制度創設を推進した自民党を批判。次期衆院選で民主党候補を推薦する方針を示している。今月7日には、原中委員長が同党茨城県連から離党勧告を受けていた。
県医師連盟は13日、水戸市内で開いた記者会見で、次期衆院選で民主党候補を推薦する方針をあらためて表明。一方で、民主党に入党する考えがないことも明らかにした。 (09年5月13日「キャリアブレイン」)
◆「医療の基本法」制定を、患者の権利擁護で報告書
ハンセン病元患者に対する隔離政策への反省から設置された「再発防止検討会」(座長・多田羅浩三(たたら・こうぞう)放送大教授)は12日、厚生労働省を訪れ、患者の権利や医療従事者の責務などを整理した「医療の基本法」の制定や、病気を理由とした差別や偏見をなくす施策を求める報告書を舛添要一厚労相に提出した。
舛添厚労相は立法化に向け、国会で取り上げる方針を表明。さらに、新型インフルエンザの感染者らが隔離されていることを念頭に、差別や偏見がないよう「なるべく人権を守りながらウイルスと戦わなければならない」と述べた。
報告書は、医療従事者の規定違反に対する罰則が患者の権利擁護に結び付いていない面があり、患者と医療従事者の信頼関係を損ないかねないと、現行法の問題点を指摘。
解決には医師法などの一部改正では困難で、患者の権利擁護と医療従事者や国などの権限と責務の観点を取り入れ、医療関係の法律の再編成が必要としている。(09年5月13日「共同通信」)
200904
◆1か月の歯科自費収入20年間で30万円も減少、保険外併用療養費制度に活路?
1か月の医業収入は、中医協「医療経済実態調査」によると、1984年377万2000円が、2005年354万4000円に減少。
1か月の自費収入は1984年67万9000円から2000年37万9000円と約30万円も減っている。医業収入に占める自費診療割合は18%から10.7%に落ち込んでいる。
これでは、日本歯科医師会が2006年5月の勉強会「相南宣言」で、自費拡大に活路を見出すために、保険外併用療養費制度(混合診療)への検討を開始したが、国民側がそれを受け入れる状況にないことを、自費割合の低下が物語っている。(09年4月27日(月)「インサイト」)
◆日歯「次期診療報酬改定対策本部」を設置
日歯は23日に理事会を開き、「次期診療報酬改定対策本部」を設置する方針を決定した。平成22年4月改定に備え、歯科点数のあるべき姿を話し合う。これと同様の会合は従来改定の際にも設置されていたが、大久保会長は「次期改定で具体的に反映させる事が肝要」と説明、(各診療行為の難易度や時間等を踏まえた)適正な点数設定や新たな保険導入項目などで一定の結論を出し、中医協等で主張して具現化を図る考えを示した。同本部長には大久保・日歯会長が就任予定であり、「連休明けから早速議論を開始する」とのこと。
また、今回の理事会では、①レセプトオンライン検討委員会、②定款等改正臨時委員会、③災害時対策・警察歯科総合検討会議、の設置も決定。このうち“オンライン委”に関しては、「(23年度からの義務化に)反対していく方針は変わっていない。あくまでもオンライン化に関する具体的な対応を検討・協議したい」と解説。
◆「開業医はもうけすぎ」に疑問符 保団連調査
保団連がこのほど発表した「開業医の経営・労働実態調査」結果から、世間でいわれているほど開業医は「もうけすぎ」でも「楽」ではない実態が浮かび上がった。
結果によると、開業医が1カ月に仕事に割く時間は252時間。時間外労働は過労死の認定基準を上回る約80時間と推測された。一方、医科の開業医に限ると
年間所得は2588万円。この中には、家族労働分やサラリーマンでいう退職金も含まれることから、時間当たりの所得は8918円、生活費や老後の蓄えに使える
可処分所得は1588万円にとどまるという。
調査は2008年2月、大阪府保険医協会と大阪府歯科保険医協会の会員101人(医科81人、歯科20人)を対象に実施。86人(医科69人、歯科17人)から回答を
得た。
結果から保団連らの調査グループは「開業医は『もうけすぎ』でも『楽』でもなく、問題の根源は長年にわたる診療報酬の抑制政策にあることは明白」と
指摘。過酷な労働実態から、調査結果を分析した大阪社会医学研究所の中村賢治医師も「開業医の労働負荷を今以上に増やすことは、健康を害する開業医が
さらに増える可能性があると同時に、医療の安全性をさらに低下させると考えられる」と警告している。
◆FP快刀乱麻ー社会保障基本法を作ろう
「小泉さんが推し進める構造改革路線が実現すると、暮らしのいたる所に歪みが出て、こぼれ落ちていく人たちが続出すると確信していました。そのとき、私たちに何ができるのかを考え続け、準備を進めてきました」。『「社会保障基本法」立法化を求める会』(以下『基本法を求める会』)の中心的役割を担う方の言葉です。この会は京都府保険医協会という医師の団体が中心となって取り組んでいます。
このような活動を知ったとき、「なぜ医師の団体がそこまで?」「仲間の医師から批判されなかったのか」との疑問が頭に浮かびました。その疑問に対して、「もちろん反対意見もずいぶんありました。しかし、保険料が払えなくて保険証を取り上げられ、必要な治療が受けられない人、職や住むところを失う人たち、この日本の現状を目にするにつけ、何もしないという選択肢はありませんでした」
『基本法を求める会』の呼びかけ人は、落合恵子さん(作家)、後藤道夫さん(都留文科大学教授)、竹下義樹さん(弁護士)、本田宏さん(医師)、湯浅誠さん(NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長)、渡辺治さん(一橋大学教授)の6名の方です。私はファイナンシャルプランナーのかたわら、『日本の医療を守る市民の会』という勉強会を行っている関係で、この会の応援を買って出ることになりました。
個人の生活設計のご相談を受ける立場として、自己責任の問えない不測の事態に対するセーフティネットが脆弱化していることに危機感を持っています。先進国では医療や介護、教育など、生存権にかかわる領域に関して、ほとんど無料というのは珍しいことではありません。日本は反対に、日本に暮らす人々の生存権を守る領域から、国や自治体が「自己責任」の名のもとに退出しようとしているかに見えます。
もともと、日本の社会保障給付費は低く、対GDP比17.7%で対象となる29カ国中23位です(OECD統計データベースより)。日本の社会保障給付は一部の弱者に対するものとの位置づけが色濃く、勤労世帯にほとんど配分されていないことが特徴と言えます。海外では働いて得る賃金だけでなく、社会保障を加えたもので生活をするのが当たり前といった感覚のようです。
国に代わってセーフティネットの役割を果たしていたのが日本型雇用だったのですが、それはほとんど崩壊したと言っていいでしょう。'92年に583万人だった15歳から24歳までの正規雇用者が、'08年には264万人と、319万人も減少しています。たとえ正規雇用されている人であっても、長時間労働・低賃金の労働者が増加しています。「貧困」をなくし、一人一人が尊重される社会を構築するため、憲法13条と25条(※)の理念を具体化し、社会保障分野全体を貫く諸原則、手続きを示す基本法の制定が急務です。
一人一人のほんの小さな1歩が、有機的につながることによって大きな力になると信じます。
(※)憲法13条:すべて国民は個人として尊重される
憲法25条:すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
09年4月22日(水)「日経マネーデジタルDIGITAL」
◆介護現場に酷似している歯科衛生士不足状態
歯科衛生士は、現在登録者数は21万6277人(平成20年、2月末)。
毎年6500人前後が新規に登録されるが、歯科医院側では、慢性的に歯科衛生士が不足している。この事態は他の業異種と比べても、異常と思われている。平成18年のデータによれば、就業者数は8万6000人余。
なぜ、このような事態になっているのか? 歯科医療に対する国の“低医療費政策”の反映であることは、論をまたない。
特定健診・特定保健指導の実施、介護保健事業推進といった観点から福祉事務所(保健所)、市町村、介護保健施設等での歯科衛生士の活動が期待される。だが、特定健診・特定保健指導の現場での歯科衛生士の活動の場は、与えられていない。
都道府県別にみると、県に勤務する歯科衛生士がまったくいない県が5県、5人未満が20府県。市町村に勤務する歯科衛生士は1人もいない県が1県、5人未満が11県。
また、介護老人保健施設で働く歯科衛生士は全国でわずか173人であった。
保健師と比較すると、全国の保健師数は歯科衛生士の半分弱4万191人であるが、その8割近くが福祉事務所(保健所)、市町村、介護保健施設等で就業している。
このことからも、歯科衛生士の職能の理解不足によるこの分野での活躍が十分になされていない。(厚生労働省平成18年保健・衛生行政業務報告概況)
歯科衛生士は専門学校で、養成課程2年から3年へ移行されつつある。また、2004年からは4年生大学教育も加わり、さらに資質向上が図られてきている。
毎年6500人余が歯科衛生士の国家資格を得ている。だが、歯科衛生士として就業している歯科衛生士は8万6000人余りで、登録者数は21万6277人の有資格者の40%程度の就業率。
平成18年の歯科医療施設総数6万7000軒と比較して、歯科衛生士は圧倒的に不足状態。それは、国の歯科医療に対する、“低医療費政策”に根幹がある。
歯科衛生士は、歯科医療の現場では、働きたくも、“働きたくない”のである。
これは、日本歯科医師会の政策や戦略を超えた問題に帰着する。その意味で、歯科医療の現場は、介護現場に酷似している。(09年4月24日「歯学情報」)
◆勤務歯科技工士は平均年収392万円(38.5歳)
歯科技工士養成機関は、平成15年~平成20年で10校減少。
平成19年度入学者は定員の67%。
退学者は、平成17年度入学者は卒業するまで586名、22%が中途退学。
新卒者の歯科技工士への就労率は、ここ数年80%以上であり、約1500名が就職しているが、25歳未満の就労者は2500名を下回る。
新卒後5年の間、約8500名就職したものの約6000名がこの間に離職(離職率約70%)している。
45歳以上が47%、50歳以上は30%であり、歯科技工士の高齢化は進んでいる。
厚生労働省の平成17年賃金構造基本統計調査によると、歯科技工士の年収は399.53万円。
労働時間は、週に50.25時間、平均年齢34.4歳。
平成18年度歯科技工士会実態調査では、歯科技工士の平均年収は436万円。
勤務歯科技工士は平均392万円(38.5歳)
民間平均 434.9万円。
上場企業平均589.3万円。
国家公務員 662.7万円。
地方公務員 728.8万円。
独立行政法人732.6万円。
自営歯科技工士は平均502万円(50.7歳)
男性平均457万円(44.6歳)
女性平均222万円(30.9歳)
歯科技工士の約67%は歯科技工所で就労。
歯科技工所のほぼ8割が1人。その歯科技工士の年齢は40歳~60歳が7割近い。
平成10年歯科技工士数3万6569人、平成18年3万5147人。
平成10年歯科技工所数1万7648軒、平成18年1万9435軒。
歯科技工士の就労は、歯科技工所が2万3438名(66.7%)。
歯科衛生士は25歳未満が1万8286人で21.0%を占めているが、25歳未満の歯科技工士は2417人で6.9%。
歯科技工士は50歳以上が1万651名で30.3%を占めている。
歯科衛生士は50歳以上が7136人で8.2%。(09年4月24日「歯学情報」)
◆レセプト電子請求件数、医科で50%超える
社会保険診療報酬支払基金は4月24日、定例記者会見を開き、医科レセプトの電子請求件数が、今年3月請求分で初めて50%を超えたと発表した。
件数ベースでの医科電子レセプトの普及率は、2007年3月が21.8%、08年3月が34.1%。今年3月は50.2%で、2年間で28.4%増加した。電子請求のうちオンライン請求は08年3月の11.0%に対し、今年3月は22.3%と倍増。電子媒体による請求は27.9%だった。
施設数ベースでは、電子レセプトを利用している医療機関は3万1328施設で、全体の32.1%にとどまっている。
調剤レセプトでは、電子レセプトによる請求が97.8%。医科、歯科、調剤のレセプト全体に占める電子レセプトの割合は、09年3月で58.7%だった。(09年4月24日「キャリアブレイン」)
◆平成21年3月提出分、歯科ではレセプト電算化システムを利用は僅か3件
現在、確認試験の申請を行っている歯科医療機関は全国で33医療機関
群馬県1診療所(136件)/埼玉県2診療所(635件)/千葉県2診療所(717件)/東京都17診療所(2443件)/神奈川県5診療所(524件)/長野県1診療所(282件)/静岡県1診療所(96件)/京都府2件(107件)/大阪府1件(469件)/大分県1件(95件)医科・調剤のレセ電算化普及率の年次推移http://www.ssk.or.jp/rezept/pdf/hukyu.pdf
「保険証失効」2割が治療中断 県保険医協会アンケート
困窮者 病状悪化の懸念も
福岡県保険医協会(医科協会)が無保険患者の実態を調査。経済的理由から受診を手控えているということが明らかになった。
マスコミの関心は高く、新聞6社(朝日、毎日、読売、日経、西日本、共同通信)、テレビ5社(NHK、FBS福岡放送、KBC朝日放送、RKB毎日放送> 、TVQ)が取り上げ、新聞やWebで一斉に報じられた。
経済的困窮者への対策が求められる中、行政の対応は待ったなし。そのような時期での医療機関側からの受診調査は大変貴重な資料だ。
医療機関からは保険があれば受診するはすが、経済的困窮から保険料が払えず受診を中断するケースが多く、病気が重症化してしまうとしている。
「無保険者」25%治療中断
県保険医協会 110医療機関調査 経済状況が影響
県保険医協会(松井岩美会長、約二千五百人)は十三日、県内百十の医療機関を調査した結果、国民健康保険証を提示しなかった「無保険患者」が診察を中断した割合が24・8%に上ったと発表した。
保険証を提示した重病患者の場合、 「中断率はほぼゼロ」 (松井会長)といい、経済状況が苦しい世帯が医療機関での治療を途中で断念せざるをえない実態が浮き彫りになった。
調査は同協会が一月に実施。協会加盟の開業医の病院など、県内約二千の医療機関にアンケートを送付し、昨年一年間に受診した「無保険患者」の数や状況を回答してもらった。同様の調査は全国初という。
アンケートに応じたのは百五十六医療機関。うち四十六機関は「無保険患者」などが「いなかった」と回答したたの、残る百十機関の回答を基に分析した。
その結果、保険料滞納で保険証が更新されないなどしたため、窓口に提示しなかった「無保険患者」は八百二十九人だった。うち二百五人(24・8%)が必要と思われる治療を途中で中断していたという。
また、保険料を滞納後に分割して納めている「短期保険証」の患者は三百四十九人で、うち四十三人(12・3%)が治療を中断。保険料を滞納したため、いったん医療費全額を支払う「資格証明証」の患者は四十七人で、うち十人(21・3%)が中断した、としている。(西日本4月14日)
◆無保険症状悪化まで受診せず
保険料の滞納などで保険証を持たないいわゆる「無保険」の人たちは、保険が使えず医療費が高いため症状が重くなるまで受診しないケースがあることが医師の団体が行った調査でわかりました。
調査を行ったのは福岡県内の開業医などで作る「福岡県保険医協会」で、保険料の滞納などで保険証を持たずに医療機関を受診するいわゆる「無保険」の人たちの診療の実態について県内の2000あまりの医療機関にアンケート調査をしました。
それによりますと去年1年間に調査対象の医療機関を受診した人のうち「無保険」の人は1225人でした。
このうち、北九州市の61歳の女性は高血圧と狭心症の持病がありましたが定期的な通院をせず結果的に脳こうそくを起こすなど病状を悪化させてしまったということです。
この女性の家族は「保険証がなく医療費が高いので病院に行かなかった」と話しているということです。
「県保険医協会」によりますと同様のケースは他にも報告があり、無保険の人の中には経済的な理由で受診を抑制したり中断したりしている人がいるということです。このため「福岡県保険医協会」は安心して医療を受けられるようすべての人に保険証を交付するとともに個人の医療負担を減らす体制の整備が必要だと訴えています。(4月13日NHKニュースから)
◆保険医協会が会見「全国民に健康保険証支給」を提言
健康保険の保険料滞納などで資格を持たないいわゆる非正規保険の診療実態調査の内容が発表されました。
これは福岡県の開業医などで組織する福岡県保険医協会が156の医療機関にアンケート調査を行ったもので、保険料滞納世帯に発行される資格証や短期証の患者は、一般保険証の患者に対し受診数が極端に少なく、無保険も含めると相当数の患者が命と後遺症の危機にさらされていると発表しました。
協会では「行政が非正規保険の実態を把握した上で、非正規保険証の発行を中止しすべての国民に正規の保険証を発行すべき」と報告しています。(TVQ4月13日ニュース)
◆国の処分取り消し 福島地裁 保険医取り消し訴訟で判決
診療報酬の不正請求などで保険医療機関の指定と保険医登録の取り消し処分を受けた福島県いわき市のみさき歯科医院(昨年3月31日付で事業廃業)が、福島社会保険事務局に処分の取り消しを求めた訴訟の判決言い渡しが24日、福島地裁であった。森高重久裁判長は医院側の主張を認め、国の処分取り消しを言い渡した。
この訴訟で国側は、「同医院は歯の矯正治療を行う際、自費の矯正治療と保険が適用される処置に加え、別の治療法にも保険請求したことは二重請求に当たる」と主張した。森高裁判長は判決理由で「同医院は自費と保険が適用される治療法を分けて請求していた」と判断し、国側の主張を退けた。
同医院は平成13年2月から15年1月まで、患者19人に歯の矯正治療などを行った際、保険者に作成していない治療器具代を架空請求するなど不正を繰り返したとして、福島社会保険事務局が16年8月に同医院の保険医療機関の指定と飯塚真也理事長の保険医登録を取り消した。2009/03/25「福島民報」
☆東北厚生局は4月6日、医院側の主張を認めた地裁判決を不服として仙台高裁に控訴
―「福島いわき市のみさき歯科医院の訴訟」判決主文要旨―
1、被告が、原告に対して平成16年8月16日付けでした原告の保険医療機関の指定を取り消す旨の処分を取り消す。
2、被告が、原告飯塚真也に対して平成16年8月16日付けでした原告の保険医の登録を取り消す旨の処分を取り消す。
3、訴訟費用は被告の負担とする。
◆北海道厚生局など、歯科診療所の監査開始
札幌市中央区の歯科診療所「デンタルライラック」とNPO法人「CMケア機構」が提携して患者の診療報酬自己負担分を事実上無料にしている問題で、北海道厚生局と道は14日、同診療所に対して健康保険法と国民健康保険法に基づく監査を開始した。
道厚生局と道は昨年12月に同診療所とNPO法人を立ち入り検査し、今年1月に改善計画書を提出させた。しかし、同診療所などは患者の自己負担分を無料にする仕組みを変えなかったため、行政側は帳簿書類の提出や関係者の出頭を求めることができる監査に踏み切った。同診療所の関係者は取材に対し、「監査が入っているのは事実だが内容はコメントできない」と話している。
道厚生局などによると、同診療所は同法人の付属歯科医療医院として同法人の会員を診察。患者が診療報酬の1~3割の自己負担分を支払う際、同法人が患者にアンケートを行い、自己負担分と同額を「労務料」として渡し、患者の支出額を事実上ゼロとしている。法人側の負担は診療所からの広告料などで相殺しているが、道厚生局などは健康保険法で禁じている「医院による割引診療」に該当するかどうか、慎重に調べている。(4月15日「毎日新聞」)
◆「安心社会実現会議」が初会合―政府
政府は4月13日、首相官邸で「安心社会実現会議」の初会合を開いた。会議の設置は、7日の記者会見で河村建夫官房長官が明らかにしたもので、経済・雇用構造の変化や少子・高齢化の進展などを踏まえ、国家として目指すべき方向性や基本政策の在り方について議論することが目的。「国民が安心して生活を送ることができる社会(安心社会)」の実現を目指す。今後、月に2回ほど会合を開き、6月までに議論を取りまとめる予定で、経済財政運営の「基本方針2009」にも反映される見通しだ。
同会議は麻生太郎首相、河村官房長官、与謝野馨財務・金融・経済財政相と15人の有識者で構成される。事務局長は前総務相の増田寛也氏。
初会合ではまず、麻生首相が同会議の趣旨について発言。「日本が目指すべきは安心できる社会」とした上で、「その道筋を明らかにするためにこの会議をつくった。わが国が目指すべき『国家像』について議論してほしい」と述べた。具体的には、「日本が目指す安心社会の姿、見取り図」「家庭、コミュニティー、職場、政府の役割分担の在り方」について議論を求めた。また、「『見取り図』に照らして、雇用、年金、医療、介護、子育てといった分野の政策目標や優先施策を示す」ことを求めた。座長には、成田豊・電通最高顧問を指名した。
続いて与謝野財務・金融・経済財政相があいさつし、「超然たる立場で自由な議論を」「特定の政党や内閣にとらわれず、分かりやすく国民に問題提起をしてほしい」などと求めた。
会合では、複数の委員が「政府と家庭、地域・コミュニティー、企業といったところの役割分担の再整理」の必要性を指摘。また、日本における福祉の在り方について、「小さな政府」「低い国民負担」を目指す方向性を見直し、「『中福祉・中負担』を目指すべき」とする意見が複数の委員から出た。さらに、「『民にできることは民で』と民営化が進められてきた」が、「公でやるべきことの再定義が必要」とする意見が出た。
次回の会合は4月下旬の予定。
増田氏と成田氏以外の有識者メンバーは次の通り。
伊藤元重・東大大学院経済学研究科教授▽小島順彦・三菱商事代表取締役社長▽髙木剛・日本労働組合総連合会会長▽但木敬一弁護士▽張富士夫・トヨタ自動車代表取締役会長▽日枝久・フジテレビジョン代表取締役会長▽宮本太郎・北大大学院法学研究科教授▽武藤敏郎・大和総研理事長▽矢﨑義雄・国立病院機構理事長▽山内昌之・東大大学院総合文化研究科教授▽山口美智子・薬害肝炎全国原告団代表▽吉川洋・東大大学院経済学研究科教授▽渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆
(09年4月13日「キャリアブレイン」)
◆老人福祉事業者の08年度負債額、前年度比68.2%増
2008年度の老人福祉事業者の倒産件数は、前年度比5件増の26件だったことが、帝国データバンクの集計で分かった。負債総額は101億4700万円で、前年度より68.2%(41億1300億円)増加した。一方、医療機関(病院、診療所、歯科医院)の倒産件数は、前年度と同じ40件だった。
医療機関の倒産を施設別に見ると、病院が7件、診療所20件、歯科医院13件。前年度に比べ、病院は4件減少したが、その分歯科医院が増えた。月別では、昨年6月と3月の倒産が共に7件と最も多かった。
負債額の合計は213億9500万円で、前年度より93億8000万円減少。月別では、昨年12月の70億8400万円が突出して高かった。
帝国データが集計した「老人福祉事業者」には、特養ホームのほかケアハウスなどの軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設などを運営している場合が含まれている。
また、破産や民事再生などの法的整理に対象を限定しており、自主的な解散や「資金ショート」に伴う銀行取引停止などは含まれていない。(09年4月16日「キャリアブレイン」)
◆社保病院や公立病院のリストラに拍車
この3月末、閉院や休止に踏み切る病院が相次いだ。その背景には、経営不振や医師不足といった日ごろ問題視されている理由のほか、景気悪化や自治体病院・社保病院のリストラという特有の事情もあった。
今年1月、三菱自動車工業が三菱水島病院(岡山県倉敷市)の3月末での閉院を発表した。
1942年に設立された企業立の同病院は、長年にわたって地域住民に医療を提供してきた。ところが、2004年に新臨床研修制度が導入されたのを機に医師不足に陥り、医療費抑制を主眼に実施された06年度の診療報酬改定で収益も悪化。これに伴い、08年7月までに120床あった病床をすべて閉鎖し、外来診療だけを続けていた。
こうした状況下で昨秋、世界規模で景気が悪化。三菱自動車工業の業績も急激に落ち込み、同社は派遣社員の削減や生産調整などに乗り出した。その業務の大幅見直しの流れが、年度末の決算期に合わせて三菱水島病院を閉院することに影響を与えたようだ。
08年度末の閉院・休止事例では、自治体病院や社会保険病院も目に付く(表1)。以前から経営不振や医師不足に直面していた自治体病院で、08年度末での閉院を決断するところが目立ったのには理由がある。
07年末に総務省が公立病院改革ガイドラインを策定し、全国の自治体病院に経営改革プランの作成を求めていたが、その期限が今年3月末だったのだ。結果、これに合わせて病院を廃院にしたり、廃止届けを一度提出して診療所へ模様替えする自治体が相次いだ。
社会保険病院を取り巻く環境も08年度に大きく変化した。昨年10月、全国63施設の社会保険病院・厚生年金病院の土地や建物などが、社会保険庁改革の一環として独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)に出資されたのだ。RFOは、10年9月末までに各病院を民間医療法人などへ譲渡していく。社会保険浜松病院では、この動きが医師の退職を加速して運営難を招き、結局08年度末に休止することになった。
ー08年度末に閉院や休止に追い込まれた主な病院ー
△日高町立日高国保病院(北海道日高町)
3月末で病院を廃止し、4月から有床診療所に規模縮小。主要産業だった林業の衰退で町の人口が激減し、入院部門を中心に業績が低迷。累積赤字は約3億3000万円に達した。06年3月の旧門別町との合併で町に国保病院が2施設存在することになり、再編が決定。
△県立花巻厚生病院(岩手県花巻市)・県立北上病院(同北上市)
いずれも3月末で廃止。両病院は統合され、県立中部病院(北上市)として4月に新築オープン。医師不足や経営状態悪化の対策として、岩手県が04年度から進めてきた県立病院改革の一環。病床数を削減しつつスタッフや医療機器を集約し、2次医療圏の基幹病院に模様替え。
△社会保険浜松病院(静岡県浜松市)
3月末で外来・入院診療を休止。2年続けて2億円を超える赤字を計上。新築移転を計画して02年には用地も確保したが、政府の社会保険病院の見直し策の影響で実現しなかった。昨年10月、譲渡または廃止を進めるために独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)へ出資され、その後、医師の退職申し出が相次いだ。
△市立松原病院(大阪府松原市)
3月末で閉院。07年度末の累積赤字が約40億円に達するなど経営状況が厳しく、内科・小児科を中心に深刻な医師不足に直面していた。老朽化して耐震性に乏しい建物の建て替えも迫られていたが、市の財政も厳しかったため市長が閉院を決断。
△三菱水島病院(岡山県倉敷市)
3月末で閉院。三菱自動車工業が経営する企業立病院として60年以上診療を続けてきたが、度重なる診療報酬のマイナス改定や医師不足の影響で経営状態が悪化、昨年7月には入院部門を休止していた。昨秋以降の世界的な景気悪化の影響が追い打ちをかけ、閉院に追い込まれた。
(「日経メディカル」09年4月号「スペシャルリポート」から(転載))
◆行政ファイル:伏見の歯科医 保険医登録取消処分 /京都
近畿厚生局は17日、先月10日に廃業した伏見区の「かわうちデンタルクリニック」を保険医療機関指定の取消相当、同クリニックを開設した歯科医師(34)と勤務していた歯科医師(43)の2人を保険医登録取消の処分(いずれも24日付)とすると発表した。同局によると、同クリニックは07年6月の開設から08年6月までの間、診療時間を水増しするなどして68人135件で計116万円の診療報酬を不正請求するなどしていたという。
◆向精神薬:不正譲渡、容疑の嘱託医ら書類送検 近畿厚生局
知的障害者施設で処方せんなしに大量の向精神薬を販売したとして、近畿厚生局麻薬取締部は13日までに、奈良県内の同施設と提携する3薬局の薬剤師4人と施設の嘱託医の男性(54)=大阪府羽曳野市=を麻薬及び向精神薬取締法違反(譲渡)容疑で書類送検した。嘱託医はほとんど診療せずに処方せんを作成、必要のない向精神薬を入所者に処方し、診療報酬を不正に請求した疑いも持たれている。
麻薬取締部の調べでは、薬局は同県天理、御所の2市の3薬局。書類送検の容疑は、5人は昨年3~9月ごろ、施設に入所する知的障害者約60人に処方せんなしに大量の向精神薬を販売した、としている。
同部は昨年9~10月、一部の施設と嘱託医の自宅などを同法違反容疑で家宅捜索。葛城市内の施設で約2万1000錠の向精神薬を押収した。【花牟礼紀仁、平野光芳】
◆日歯連盟訴訟10周年記念の集い
200903
「指導問題で厚労省要請」
3月4日保団連は、指導問題で厚労省に対し要請を行った。
回答 田嶋武則医療指導監査官
1,対象者リストの連絡期日問題(通知文削除の理由)
厚労省)通知を差し上げて指導を行うまでカルテに記載事項を追加するなどの事象があったため、指導の実効性を確保するために削除した。事象の中には、別のカルテに清書をしたものを提出するようなケースも含まれる。
2,処分を仄めかす実施通知問題について
厚労省)行政手続法34条の文言は、権限を行使できない又は行使する意思がない場合という条件が記載されている。厚生局は権限も意思もあるので直接34条違反とは考えていない。通知にどんなものを記載するかを含めて個別指導は地方厚生局長に委任されている。監査大綱に記載をしている。「初回はやめなさい」とは言えない。
小池室秘書)当日、初回から記載するのは個人的にどうかと思うという発言はあったわけで、本省からから注意喚起的な話はできないのか。
厚労省)上司と相談して回答する。
-上司と相談の結果、再度の回答-
厚労省)近畿厚生局に連絡等を行い、
①新規個別指導、集団的個別指導の実施通知には一切記載しない。
②また、通常の個別指導の実施通知には2回目から記載させてもらう。
③改める時期は4月1日からとしたい-ということになった。
3,指導時の録音問題について
厚労省)禁止をしていないことを周知することは考えていない。
福岡の例について話があったので九州厚生局福岡事務所に話を聞いた。
事前の連絡がなかったので、厚生局側の準備ができていなかったので断った事例はある。
今後は事前の連絡がなくても録音ができるよう準備していくと言うことを確認しておくので、問題のようなことは起こらないと思う。
小池室秘書)事前の連絡がなくても、厚生局側が録音できる準備ができなくても録音して良いのか。
厚労省)それはその通り
200901
◆初の医師全国労組 今春結成、待遇改善など訴え
医師による全国統一の労働組合「ドクター・ユニオン」が今春結成されることが3日、分かった。医師が加わる全国規模の労組としては、看護師や介護従事者ら幅広い職域の人たちで構成する日本医療労働組合連合会などがあるが、医師だけでつくる全国規模の労組は初の試み。
「ユニオン」は、医療の質向上に取り組む団体「全国医師連盟」が、中心となって発足の準備を進めている。結成後は主に、勤務医の待遇改善や、医療事故で訴訟を起こされた医師の支援などに取り組む。
同連盟は、医療の現状に危機感を持った一線の医師約八百人が参加して、昨年6月に発足。最大の医師団体である日本医師会や、学会団体とは別に、医療再生に向けた提言などを行っている。
全国規模の労組をつくる構想は、現場の医師が労働者の立場で横断的に情報を共有し、雇用者側と交渉する必要性を感じたことから浮上。選手の地位向上を目指して労組化した日本プロ野球選手会などを参考に、具体的な組織や活動内容の検討を進めている。
発足時の参加者は、同連盟所属の勤務医が中心になる見通し。無党派の組織にする方針。勤務状態が厳しく、訴訟リスクも高い外科、産婦人科、小児科などの医師の待遇改善や、都市と地方の医師の偏在の解消などについても取り組む。
現役の内科勤務医で連盟の黒川衛代表は「勤務医は疲弊し、日本の医療は持てる力を発揮できない。労働問題に無頓着だった勤務医自身も反省しなければいけない。既存の労組から独立し、国や県などの雇用者を相手にしていきたい」と話している。(09年1月4日「東京新聞朝刊」)
◆福岡の医療法人が民再申請
福岡市内で「石原内科循環器科病院」を運営する医療法人冠(福岡市)は昨年12月22日、福岡地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。帝国データバンクによると、負債総額は約13億1900万円。
帝国データの調べでは、冠は1971年11月の創業。92年3月に法人改組し、内科、循環器科に特化した石原内科循環器科病院をメーンに運営してきた。94年に病院を買収したが、採算性が乏しく99年に閉鎖、大幅な損失が発生した。これによって、石原内科循環器科病院でも新たな設備投資が難しくなり、患者離れが進んだ。
福岡市では「病院が円滑に運営されるか、見守っていきたい」と話している。(09年1月5日「キャリアブレイン」)
◆「混合診療解禁で医療はどうなる?」市民の会が勉強会
「日本の医療を守る市民の会」は1月20日午後6時半から、東京都中野区の中野サンプラザで、「混合診療解禁で医療はどうなる?―保険が効く範囲、診療報酬の決め方、ここが問題!」をテーマに勉強会を開く。
勉強会では、東京保険医協会事務局の栗林令子次長が、「日本の公的医療保険制度はこんな制度」「診療報酬はこうやって決まる」「混合診療とは何か」「混合診療が解禁されるとどんなことになる?」「混合診療解禁を仕掛けているのは誰か」などについて講演する。
参加費は1500円(学生800円)。同会ホームページの申し込みフォームか、ファクス03(3383)6030で申し込む。問い合わせは、「生活設計塾クルー」の内藤さん、03(3383)1018まで。(09年1月5日「キャリアブレイン」)
◆高額治療費苦に自殺、中国、四川大地震の被災民
5日付の中国陝西省の地元紙、華商報によると、昨年5月の四川大地震で被災し、その後、食道がんと診断された陝西省漢中市寧強県の農家の女性(42)が先月31日、高額の治療費を苦に入院先の同省西安市内の病院で飛び降り自殺した。
同紙によると、女性は昨年9月に食道がんと分かり、11月に入院、手術を受けた。1カ月間の治療費は約9万元(約120万円)に上り、地震で亀裂が入った自宅の再建費として当局から支給された2万元の補助金だけでは足りず、借金に頼らざるを得なかった。
女性は生前「病気のせいで家の再建が遅れてしまい、家族に申し訳ない」と漏らしていたという。(09年1月6日「共同通信社」)
◆介護報酬改定案を答申-社会保障審議会
厚生労働省の社会保障審議会は12月26日、来年度の介護報酬改定案を舛添要一厚生労働相に答申した。介護従事者の処遇改善のため、専門性などに着目した加算がされる。
同日開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)では、各サービスの改定について説明があった。
介護報酬改定率は10月30日に政府・与党が示した3%となっており、このうち在宅分が1.7%、施設分が1.3%となっている。
また、介護報酬改定を進める上での基本的な視点として、▽介護従事者の人材確保・処遇改善▽医療との連携や認知症ケアの充実▽効率的なサービスの提供や2006年度に始まった新サービスの検証-の3つを挙げた。
介護従事者の処遇改善については、夜勤や重度・認知症者への対応といった負担の重いサービスを評価するほか、介護者の専門性を評価する内容となっている。
地域区分ごとの報酬単価と各サービスの人件費割合が変更されることに伴い、地域区分別の1単位当たりの単価上乗せ率も見直された。
また、中山間地域などに所在する小規模事業所がサービスを提供する場合は、所定単位数の10%を加算するほか、中山間地域などに住む人にサービスを提供すれば、所定単位数5%が加算されることとなった。
新規に設けられる加算としては、短期入所生活介護では、1日当たり13単位の夜勤職員配置加算がある(ユニット型事業所には、さらに1日当たり5単位を上乗せ)。
小規模多機能型居宅介護では、事業を始めた段階における経営を安定させるため、事業開始後1年未満の事業所で、定員数に対する利用者数の割合が80%を下回る場合、「事業開始支援加算」として1か月500単位が加算される(1年以上2年未満であれば、1か月300単位)。
介護老人保健施設では、新規にターミナルケア加算が設けられ、死亡日から15-30日にさかのぼってケアをしていれば、1日当たり200単位、死亡日から14日以内であれば、1日当たり315単位が加算される(介護療養型老健を除く)。
認知症グループホームでは、退去する利用者に在宅生活の相談や援助を行った場合、「退去時相談援助加算」が1回400単位付くようになる。
分科会終了後、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)はキャリアブレインの取材に対し、「今回の報酬改定は、基本点数の部分を減らすことなく、(業務を)しっかりやっている事業所には手厚くするものだと評価している。事業者の努力で、上乗せが1%にとどまるところもあれば、6%まで付くところもあるのではないか」と語った。
また、分科会を傍聴していた特養施設などで経営管理を担当する男性は、「本当に困っているので、助かることは助かるが、(月給の)2万円のアップは無理。5000円程度になるのではないか」と話した。(「キャリアブレイン」)
200812
◆25日付けで厚労省は各医療機関に対し、レセプトオンラインシステムに係る確認試験を実施すると通知した。内容は、2009(平成21)年1月より、保険医療機関で作成するフレキシブルディスク又は光ディスクが厚労大臣が定めた記録条件仕様等に適合しているかどうかを事前に確認試験を行い、2009年3月分の診療報酬請求より実施可能となるというもの。
福岡国保連合会通知
確認依頼書
国保中央会webへ
◆厚生労働省は12月22日に平成19年度における保険医療機関等の指導及び監査の実施状況について(概況)を発表した。返還金額は全国で約55億5千万円(対前年度2億1千万円増)となった。
○内訳
指導による返還分:約23億6千万円
監査による返還分:約31億9千万円
○主な増減要因
平成18年度に比べ、大規模な不正請求の事例は減少したが、保険医療機関等の指定取消件数が増加したため。
(公表時返還額2億円超の状況)
平成17年度4件
平成18年度1件
平成19年度0件
(参考)平成19年度決算検査報告のうち医療費に係る指摘金額
約7億6千万円
II取消の状況
保険医療機関等の指定取消:52件(対前年度16件増)
保険医等の登録取消:61人(対前年度20人増)
○特徴等
・医科・薬局に対し歯科の取消件数比率が高い。不正内容は架空請求・付増請求・振替請求・二重請求がそのほとんどを占めている。
・その他、正当な理由なく監査拒否したものや名義借りにより施設基準を満たすとして届出を行ったものなど悪質性の高い不正が見られた。
・取消に係る発端として保険者、医療機関従事者等及び医療費通知に基づく被保険者等からの通報が37件と取消件数の半数以上を占めている。
参考
1.監査の実施状況(歯科分)
保険医療機関等・・・41件 保険医等・・・72人
2.個別指導の実施状況
(1)個別指導
保険医療機関等・・・1104件 保険医等・・・1232人
(2)新規個別指導
保険医療機関等・・・1365件 保険医・・・1475人
(3)集団的個別指導等・・・3976件
平成19年度実施状況
平成18年度実施状況
※平成18年度実施状況はgoogleのキャッシュ機能により保持されています。
都道府県別指導実施状況
200810
◆神戸市内、無保険の子ども103人、市が特別相談を実施
親が国民健康保険の保険料を滞納して保険給付を差し止められ、医療費の全額自己負担が必要になった「無保険」状態の子ども(中学生以下)が、神戸市内で103人いることが8日、市の調査で分かった。今後、市は特別相談を実施し、保険証の交付に努める。
市国保年金医療課によると、先月15日現在、保険証の交付を差し止め、代わりに資格証明書を発行したのは3588世帯。うち73世帯に子どもがいた。
同証明書は医療機関の窓口で、いったん医療費の全額を支払う必要があり、低所得の親が子どもの受診を控える傾向があるとされる。
今後、市は区役所へ相談に来るよう対象世帯に案内文を送付。保険料の減免や分割納付などについて相談を受ける。来庁できない世帯も職員らが夜間や休日を含め訪問を実施する。(08年10月9日「毎日新聞」神戸版)
◆まちづくり担当参与に末吉前市長=北九州市の再生で手腕 -政府
政府は10日、まちづくり、地域経営担当の内閣官房参与に、前北九州市長の末吉興一氏を任命したと発表した。昨年2月まで市長を20年務め、鉄鋼など地域産業の空洞化に悩んでいた同市を環境都市に転換させた手腕を買われた。
末吉 興一氏(すえよし・こういち)東大法卒。58年建設省に入り、河川局次長、国土庁土地局長を経て、87年2月から07年2月まで北九州市長。同6月から外務省参与。74歳。福岡県出身。(08年10月10日「朝日・毎日」など)
◆後期高齢者医療制度:厚労相私案・国保制度、兵庫知事が反対意見送付
後期高齢者医療制度の見直しに関し、国民健康保険と一本化し、運営主体を都道府県とする舛添要一・厚生労働相の私案について、井戸敏三知事は8日、「まことに遺憾」などとする反対意見をまとめ、同省に送った。
井戸知事は厚労相私案について、後期高齢者医療制度の運営主体を広域連合とした議論の経緯を「全く無視したもの」と批判、「保険者を単に都道府県に移すだけでは構造的課題の解決にならない」などと指摘し、▽すべての医療保険制度を全国で一本化し、国を運営主体とすること▽市町村など地方の意見を踏まえて検討すること--などを要望している。(08年10月9日「毎日新聞」神戸版)
◆日医/社会保障国民会議最終報告とりまとめに向けて要望書を送付
日医の中川俊男常任理事は、10月15日の定例記者会見で唐澤祥人会長が14日付けで、社会保障国民会議サービス保障(医療・介護・福祉)分科会の大森彌座長宛に、今月中に行われる予定の最終報告の取りまとめに向けて、要望書を送ったこと
を報告し、内容を解説した。
要望書は、(1)社会保障費の機械的抑制の撤回、(2)地域医療を守るため、医療費全体の水準の引き上げ、(3)患者さんを守るため、必要な医療が受けられる体制の維持―の3項目を柱とした内容になっている。
また、今月開催を予定している分科会には、意見を別途提出する意向を示した。
同常任理事は、今回の要望書を説明するにあたり、同分科会の資料「社会保障国民会議における検討に資するために行う医療・介護費用のシミュレーションの前提について」に対する見解を加えた。
まず、「改革ケース」案はいずれも、平均在院日数の短縮化を前提としているが、日本よりも医療費が高く、医師数が多い先進諸国と比べて目標指標としていること、医療資源の強化が急性期病院に偏っていることを問題として指摘した。
また、同資料に示された「医療・介護提供体制の現状と将来像」に関しては、どの機能に対しても、「選択と集中」が前提とされていることについて、「地域的背景を考慮し、地域医療を守ることを志向すべきであり、『選択と集中』を一律に課すべきではない」と述べた。つづいて、病院と診療所の機能分担におい
ては、診療所の方向性の中に「主治医機能の強化」と記されていることに対して、「アクセス制限」による医療費抑制を意図しているのであれば、非常に問題であ
り説明を求める」との見解を示した。
会見のおわりに、同常任理事は、医療提供体制の強化や医療従事者を増強する議論に対する考えとして、「医療費の増加とセットで議論されなければならない。
明確な財源論や大胆な配分論の見直しが無いまま、議論を進めることは大変な問題が起こる」と指摘した。(08年10月16日「日医白クマ通信」)
◆後期医療、「天引きで負担増」と批判―民主党
後期高齢者医療制度の4回目の年金からの天引きが実施された10月15日、民主党の厚生労働部門会議が開かれ、同党の山井和則衆院議員は加入者の大半を占める夫がサラリーマン、妻が専業主婦だった家庭で保険料が年金からの天引きになることで社会保険料の控除額が減少すると指摘。「天引き増税だ」と批判した。
厚労省の説明などによると、高齢者夫婦の場合、国保では世帯主の夫が妻の保険料も負担し、支払った夫に社会保険料の控除が適用された。これに対し、後期高齢者医療制度では、年金から個人単位で保険料が天引きされるため、夫の社会保険料の控除額が減り、負担が増えることになる。
年間の年金額が180万円未満などの条件を満たすと、天引きから口座振替に切り替えることができ、その場合は支払った世帯主が社会保険料の控除の対象となるが、同省によると10月に保険料を支払った人のうち、口座振替に切り替えたのは2.8%にすぎないという。
山井議員は、夫がサラリーマンで妻が専業主婦だった典型的な老夫婦の社会保険料の控除額が減少すると指摘し、控除額の減少による負担増を「天引き増税」と批判。さらに、この「天引き増税」に該当する加入者が300万人居ると仮定した場合、世帯当たりの負担増が年間5000円とすると、全体では150億円の負担増になる可能性があるとした。
この日はまた、後期高齢者医療制度への移行に伴う保険料負担についても取り上げられ、厚労省は制度の導入で「加入者の75%では負担が軽減される」と説明した。
これに対し蓮舫参院議員は、厚労省が75%の根拠としている試算の前提に、独身の子どもと同居する夫婦世帯が考慮されていないと指摘し、「前提の数値をミスリードしている」と批判。「(後期高齢者医療制度は)個人で比較しなければならないのを、世帯で夫婦で合算している。(国保との比較で75%という数字を割り出すのは)改ざんだ」と話した。
このほか、舛添要一厚労相による同制度の見直し私案について、民主党側は「大臣と厚労省の統一見解を出してほしい」と求め、これに対し厚労省は、「(私案は)厚労省が固めた見直し案ではない」と発言した。(08年10月15日「キャリアブレイン」)
◆歯科訪問診療、診察時間を過大申告、報酬詐取、大阪府警医師ら逮捕
京都市内の歯科クリニックが社会福祉施設に訪問診療した際、診察時間を実際よりも過大に申告し、診療報酬をだまし取ったとして、大阪府警捜査4課が詐欺容疑で、クリニックの実質経営者(33)と勤務医(33)を逮捕、大阪地検が起訴していたことが3日、分かった。訪問医療で患者の診療時間が30分を超えた場合、診療報酬点数が加算される制度を悪用していたという。
調べなどによると、2人は今年2~4月、京都市内の介護老人福祉保健施設を訪問し、診療した患者延べ29人について、実際の診療時間は30分以内だったにもかかわらず、30分を超えて診療したように装った書類を作成。京都府社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会に計6回にわたって不正に診療報酬を請求し、両団体から計約20万2000円をだまし取った疑い。
29人の診療報酬の支払総額は約71万5000円で、不正請求分が3割近くを占めていた。歯科クリニックは昨年5月に開業し、社会福祉施設への訪問診療を中心に営業していたという。
診療時間はカルテへの記載が義務づけられており、日本訪問歯科協会は「支払基金や国保団体連合会の審査部門が診療内容と合わせてチェックしており、過大請求行為を続けることは難しい」と話している。(08年10月3日「産経新聞」神戸版)
◆大阪をバイオの世界拠点に 府が旗振り役、産学官連携 「関西経済」
10年後の2018年に世界第5位の国際バイオ都市に-。大阪府は関西の大学、製薬会社などと産学官の連携を強め、大阪を、革新的新薬や医療機器を生み出す世界有数のバイオ産業拠点に育てる取り組みに乗り出した。
緊縮財政の大阪府が、橋下徹(はしもと・とおる)知事の肝いりで08年度予算にバイオ振興関連費約3億1000万円を計上。旗振り役が決まったことで、関係者は「転機になる」と期待する。
大阪は、江戸時代から栄える薬の街「道修町」に製薬会社が林立し、学研都市「彩都(さいと)」(大阪府茨木、箕面両市)には研究施設やベンチャー企業が集まる。免疫学に強い大阪大や、高い技術の東大阪の製造業者など、バイオ産業創出の素地はある。
8月末、大阪医薬品協会を中心に、製薬会社や医療機器メーカー、大学など第一線の実務者が集う「大阪バイオ応援団」が発足した。初会合で橋下知事は「関西全体でバイオを盛り上げる施策を考えたい」とあいさつ。9月1日には企業や大学と連携する府の窓口「大阪バイオ・ヘッドクオーター」を開設した。
9月8日には、大阪商工会議所の野村明雄(のむら・あきお)会頭や大阪大の鷲田清一(わしだ・きよかず)学長、橋下知事ら産学官のトップでつくる「大阪バイオ戦略推進会議」も初会合を開催。戦略やスケジュール、国への要望などを審議し、数値目標を明示した行動計画を来年3月までにまとめる予定だ。
大阪バイオ戦略推進会議が挙げた課題は、ベンチャー支援、規制緩和、治験ネットワーク作りの3つ。「いかにベンチャーを多数創出し、成功例を積み上げるかに尽きる」(府商工労働部・藤田哲士(ふじた・てつお)理事)が、それには資金や人材を呼び込む仕組みが要る。
欧米に比べ「新薬審査に時間が2倍かかる」といわれる規制の緩和も重要で、東京だけの審査窓口を大阪にも設けるよう国に要望する予定だ。
大阪府が本格的に取り組む背景には「手をこまぬいていれば、国際的な競争力を失う」との強い危機感がある。
製薬業界の再編に東京への一極集中の流れも加わり、本社機能を大阪から関東に移す企業が続出。医薬品生産額で長らく全国1位だった大阪府は06年、埼玉県と静岡県に続く3位に転落した。関係者には「これ以上の流出に歯止めをかけたい」との思いがにじむ。
世界的な株価下落もあり、大阪の新産業を取り巻く環境は厳しい。逆風下でいかに資金と人材を集め、規制緩和などの側面支援を国や自治体に求めていくかが鍵となる。
オール関西として京都府、兵庫県などの自治体との協力も視野にある。大阪バイオ応援団メンバーで、遺伝子医薬を開発する企業「アンジェスMG」(茨木市)の森下竜一(もりした・りゅういち)取締役は「将来の基盤産業を目指し、京都や神戸と連携できれば関西の強みはさらに生きてくる」と話している。(08年10月9日「共同通信」)
◆無保険、富山県内子ども241人 保護者が国保滞納 医療全額負担、受診控え懸念
保護者が国民健康保険料を滞納して自治体から保険給付を差し止められ、医療費を全額自己負担しなければならない中学生以下の子どもが、県内に少なくとも241人いることが各市町村の調査で分かった。「無保険」状態の子どもが体調を崩しても受診を控えることなどが懸念され、自治体の制度運営に批判が強まっている。
この問題では、政府も制度見直しを示唆。厚生労働省は9月15日現在の状況調査を各自治体に指示した。
県厚生企画課の集計では、県内で国保料を滞納しているのは1万6557世帯。うち2640世帯が1年以上の滞納で、保険証を返還し、代わりに被保険者資格証明書が発行されている。この世帯はいったん医療機関の窓口で全額を負担しなくてはならない。
2640世帯のうち164世帯に中学生以下の子どもがいる。無保険状態の子どもの内訳は、乳幼児72人▽小学生113人▽中学生56人--。これらの世帯の約85%が富山市に居住している。射水市などは原則、子どもがいる世帯には資格証明書を発行していない。
同課は「保険料を納付している世帯との公平性もあり、家庭状況に応じた制度運営を市町村に指導する」と話している。(08年10月21日「毎日」)
◆「説明不足で賛成できず」ー舛添私案に東国原知事
宮崎県の東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)知事は21日の定例記者会見で、舛添要一(ますぞえ・よういち)厚生労働相が国民健康保険を都道府県単位に再編した上で後期高齢者医療制度と統合する私案を示したことについて「県の事務量がものすごく増えると思う。責任の所在やコスト、人員をどうするのか具体案が示されていない。今の段階では説明不足で賛成できない」と批判した。
東国原知事は現行の後期医療制度についても「議論された末がこの程度のものなのかと失望している。プロセスの説明も十分でなく、政府の得意技である押しつけが鮮明になった」と指摘。「見直しは当然だが、議論の過程を国民に説明してほしい」と要望した。(08年10月21日「共同通信」)
◆負担減の患者、国想定の12%どまり、4ー6月 肝炎治療助成
厚生労働省は20日、今年度から始まったウイルス性肝炎の医療費助成制度で自己負担が減った患者が、6月末までで国が想定する年間10万人の12%にとどまると公表した。申請の出足の鈍さに加え、都道府県の対応の遅れも目立ち、北海道、青森、福岡両県では助成がゼロだった。患者側から治療促進のための制度改善を求める声が強まりそうだ。
助成制度は月7万円程度かかるインターフェロン治療の自己負担額を所得に応じて月1万-5万円に軽減し、残りを公費でまかなう仕組み。国は7年間で患者をゼロにする目標のもと、今年度予算に129億円を計上し、従前の倍の年間10万人が治療に取り組むと見込んでいた。
厚労省の調査によると、4-6月の申請数は1万8083人、都道府県の認定を経て実際に助成が始まったのは1万1903人で、このペースでは年10万人に届かない。自己負担額は約半数の47%が月1万円だった。
助成数は都道府県で開きがあり、神奈川が3カ月で1000人を超えたのに対し、北海道、青森、福岡は認定が始まらずゼロ。東京、大阪、静岡など7都府県も認定作業の開始が6月にずれ込み、申請数の2-8割しか助成が決まらなかった。ただし北海道には独自に助成制度があり、青森、福岡は7月に認定作業を始めたという。
厚労省肝炎対策推進室は「開始3カ月の段階で今後の見通しは立たないが、普及啓発が不十分な自治体もある」と話す。薬害肝炎訴訟弁護団の鈴木利広代表は「自己負担の高さや副作用の問題から治療をためらう患者は依然多い。治療を受けやすくするための制度の拡充が必要だ」と訴えている。(08年10月21日「毎日」)
◆歯治療の「補てつ物」輸入急増、厚労省が実態調査へ
歯の治療で使われる「補てつ物」に、中国や東南アジアからの輸入品が増えている。補てつ物の使用には規制がなく、外国製の輸入状況も不明で、歯科医らの間では材料の安全性や品質に対する不安の声が広がっている。厚生労働省は6千人を超える全国の歯科医に近くアンケートし、使用実態を調べる。
補てつ物は、金属やセラミックが原料の、歯にかぶせる冠や入れ歯。歯科医や歯科技工士が製作してきた。だが、全国保険医団体連合会によると、近年は外国製が目立って増えてきた。
外国製は国内製の半値ほどで、歯科医が個人的に輸入したり、歯科技工所が中国などの技工所に製作を委託したりするようになったという。
こうした実情を把握するため、厚労省は近くアンケートを始めることになった。日本歯科医師会の約6万5千人の会員から、約1割の歯科医を無作為に抽出し、アンケートを配布。年末までの回収を目指す。
調査項目は(1)海外に補てつ物を委託した数(2)委託した内容(3)委託して不都合はあったか――など。専門家6人を加えて、アンケート結果を検討する。
歯科医が補てつ物を輸入し使用することは治療の一環とされ、法的な規制はない。また、「世界的に問題が生じたという報告はない」(厚労省歯科保健課)という。
それでも、多くの歯科医が「健康被害が出てからでは遅い」と、外国製の補てつ物調査を求めてきた。
厚労省が調査に取り組むのは、現場の不安の声に押されたためだ。それでも補てつ物の中身の分析に踏み込まない調査のため、どこまで実態が解明できるか不透明だ。
歯科医でもある同連合会の成田博之理事は「中国製だから問題というのではなく、今のままでは安全性を確保できないことが問題だ。製作者の資格、材料や施設の基準、輸入時の安全検査が必要だ」と話している。
■国内外とも調査を
厚労省の研究班メンバーの阿部智歯科医の話 中国には、2千人規模の補てつ物工場もあり、一大供給地になってきている。中国製だから不安、日本製だから安心ということではなく、国内、海外どちらの製品も分析調査をすべきだ。厚労省研究とは別に調査したいと考えている。(08年10月18日「朝日新聞」)
200809
◆県単位再編の「私案」提示、後期医療見直しで舛添氏
舛添要一厚生労働相は、7日開かれた高齢者医療制度に関する有識者検討会(座長・塩川正十郎元財務相)で、市町村単位で運営している国民健康保険を都道府県単位に再編した上で後期高齢者医療制度と一体化する-などの私案を示した。
私案では、後期医療制度が75歳以上で年齢区分する独立型となっているのを改め、国保と統合、運営主体は都道府県とする。健康保険組合などの被用者保険が財政調整することにより、医療費が増える国保を支える。被用者保険の加入者は75歳になっても、勤務を続けている間は既存の健保組合などに加入を継続する。
ただ財政調整の規模や仕組みを示していないなど、見直しの具体像は不透明。「詳細は1年をめどに検討」とするにとどまった。
国保向けに負担持ち出しとなりかねない被用者保険や、医療保険制度の実務経験がない都道府県は反発しそうだ。
この日の会合では、県単位での再編に委員の多くが賛同。年齢区分については「65歳以上ではどうか」との意見も出た。(08年10月9日「共同通信社」)
◆茨城県歯連が自民支持表明
茨城県歯科医師連盟は7日、日本歯科医師連盟(日歯連)と共同で同県つくば市で記者会見を開き、次期衆院選では県内の7小選挙区すべてで自民党候補を推薦すると発表した。
茨城県ではこれまで自民党を支持してきた県医師連盟が民主党の立候補予定者の推薦を決定しているが、日歯連の永山一行(ながやま・かずゆき)会長は「歯科医師会は自民党に一番理解していただいている」と違いを強調した。(08年10月9日「共同通信社」)
◆民主、総選挙へ医師会の分断狙う、都道府県医にマニフェスト原案送付
民主党は、次期総選挙のマニフェストに盛り込む医療関連項目の原案を固めた。日本の医療費を先進国並みに増やすとしたほか、外来管理加算の「5分ルール」を見直すと明記。療養病床削減計画も廃止するとした。
「5分ルール」見直しや医療費の増大など、これまでの医師会の主張をおおむね取り込んだ内容とすることで、自民党の有力な支持母体である
医師会の分断を図るのが狙いだ。マニフェスト原案は、各都道府県医師連盟と各地の郡市区医師連盟に送付した。(08年10月2日「MEDIFAX」)
◆「協会けんぽ」発足 保険料、都道府県別に、政管から3600万人移行
中小企業の従業員や家族約3600万人が加入する政府管掌健康保険(政管健保)の運営が1日、社会保険庁から同日発足の非公務員型公法人「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に移行する。
全国一律の保険料率8・2%(労使折半)は当面変わらないが、来年9月までに運営にあたる都道府県支部ごとに、かかった医療費の実績に応じ独自の保険料率が設定される。高齢化に伴う給付費増加などで全国平均で0・1-0・3ポイントの引き上げが見込まれており、負担増となる加入者や事業主が多数出てきそうだ。
新たな仕組みは、入院日数短縮など医療費抑制への取り組みを地域間で競わせる狙い。医療費を抑制した地域は保険料率が低くなる一方、かさんだ地域は高くなる。
厚生労働省の試算では都道府県間の保険料率格差は最大1・1ポイント。ただ、地域別の年齢構成や所得水準の違いを考慮し、大幅な保険料上昇にならないよう調整する。
現在の政管健保の保険証は引き続き使えるが、来年3月までに新保険証に順次切り替えられる。受けられる医療の中身は変わらない。
運営移行は社会保険庁解体の一環で2006年の健康保険法改正で決定。協会けんぽの職員約2100人は民間人扱いとなる。初代理事長は旧富士銀行元常務の小林剛氏。47人の支部長は全員が民間出身だ。
ただ、民間からの採用は約300人で、残り約1800人は社保庁職員が移籍。年金記録のぞき見などで懲戒処分や内部処分を受けた職員が約390人含まれ、不祥事体質をなくせるかも課題だ。(08年10月1日「共同通信社」)
◆診療報酬不正請求 2人の保険医登録取り消し/東京
診療報酬を不正請求していたとして東京社会保険事務局は29日、足立区で「よしたけ歯科医院」(廃止)を開業していた吉武大助歯科医(42)の保険医登録を30日付で、渋谷区の「山田デンタルクリニック」の保険医療機関指定と山田浩一院長(49)の保険医登録を10月6日付で、それぞれ取り消すと発表した。
同事務局によると、吉武歯科医は04年ごろから計325回にわたり、来院していない患者に保険診療をしたと偽るなどして約213万円を不正請求した。山田院長は03年ごろから計215回にわたり、約116万円を不正請求した。(08年9月30日)
◆大阪・寝屋川の歯科、保険医指定取り消し、診療報酬不正請求
大阪社会保険事務局は30日、寝屋川市萱島信和町の吉中歯科医院(開設者、吉中睦医師)に対し、保険医療機関の指定を取り消したと発表した。
同事務局によると、同歯科医院は03年8月-05年12月、患者19人分の架空の診療報酬167万円を不正請求したという。(08年10月1日「毎日」)
診療報酬不正受給:「のがえ内科クリニック」、保険医指定取り消し/福島
福島社会保険事務局は30日、処方回数の水増しなどで診療報酬を不正受給したとして、鏡石町の「のがえ内科クリニック」(野替一郎・医療法人理事長)の保険医療機関指定を取り消すと発表した。野替理事長(54)の保険医登録も取り消し、薬を処方した隣接の「コスモ調剤薬局鏡石店」と薬剤師(32)の指定・登録も取り消す。期間は12月から5年間。
福島社会保険事務局によると、野替理事長は06年1月-07年12月、1回の薬処方を2回に分けて虚偽記載するなどし、患者23人分の診療報酬約168万円を不正に受給した。診察せず処方せんを発行しただけで、再診料なども不正受給していた。同事務局は、不正受給分の返還を求めていく。(08年10月1日「毎日」)
◆社保、厚生年金63病院譲渡、「医療変わらず」と社保庁
社会保険庁は30日、社会保険病院53カ所と厚生年金病院10カ所のすべてを、独立行政法人の年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)に10月1日付で譲渡するための手続きを終えたと発表した。各病院に併設されている介護施設や看護学校なども一緒に譲渡される。
社保庁の健康保険部門が1日から全国健康保険協会に移ることで、病院保有が続けられなくなるため。4月に与党が合意した譲渡方針を踏まえた措置。社保庁は「病院が廃止されるとの誤解が一部にあるが、医療体制はこれまでと変わらない」と注意を呼び掛けている。
RFOが各病院を当面所有する形になるが、運営は現行通り、国の委託を受けた全国社会保険協会連合会(全社連)などが行う。国は今後、地域医療の現状を考慮して新たな受け皿を決める。
52病院を運営する全社連の伊藤雅治理事長も会見し「片っ端から民間に売り飛ばされるという疑念を病院職員や患者が抱いているが、そうしたことはない。運営は従来通り」と強調。新たな受け皿の早期決定を国に要請していく方針を示した。(08年10月1日「共同通信社」)
◆介護報酬、処遇に反映する仕組み必要、介護ビジョンで舛添厚労相
厚生労働省は1日、「安心と希望の介護ビジョン会議」を開き、各委員が今後の介護の方向性について意見を発表した。
介護報酬引き上げ分が処遇改善に適正に反映される仕組みが必要との意見に対し、会合に出席した舛添要一厚生労働相は「勤務医対策と
同じことで、直接反映されるためには(介護)報酬だけでなく、ほかのルートから直接の財政支援も考えなければならない。少し大胆な発想が必要」と
述べた。(08年10月2日「MEDIFAX」)
200808
◆厚労省改革、きょう初会合、懇談会の有識者10人に
政府は6日、厚生労働省の抜本改革策を検討する「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の初会合を7日夜、首相官邸で開くことを決めた。
懇談会は当初、厚労省に設置するとしていたが、官邸主導で改革に取り組む首相の意向を受け、官邸に移された。座長の奥田碩(おくだ・ひろし)トヨタ自動車相談役ら既に決まっていた有識者6人のほか、新たに4人の有識者がメンバーに加わった。
医師免許などを持つ技官人事の適正化や組織の見直しなどを議論し、年内にも中間報告をまとめる方針だ。
奥田氏以外のメンバーは次の通り。
読売新聞東京本社専務・論説委員長 朝倉敏夫(あさくら・としお)▽前宮城県知事 浅野史郎(あさの・しろう)▽慶応大名誉教授 岩男寿美子(いわお・すみこ)▽国際医療福祉大教授 大熊由紀子(おおくま・ゆきこ)▽慶応大准教授 土居丈朗(どい・たけろう)▽一橋大教授 高山憲之(たかやま・のりゆき)▽演出家 テリー伊藤(いとう)▽香川県坂出市長 松浦稔明(まつうら・としあき)▽慶応大客員教授 薬師寺泰蔵(やくしじ・たいぞう)(08年8月7日「共同通信」)
◆医療機関に戸惑いも、「不安あおるだけ」
採血器具の使い回しをしていた医療機関名が6日、公表された。約1万3000もの施設が該当という実態に、医療現場からは厚労省の通知の在り方や対応への批判や戸惑いの声が出ている。
問題の器具は「穿刺(せんし)器具」と呼ばれ、ペン型で先端に針がついており、指先に押しつけて採血する。使い回すと、血液を介して肝炎などに感染する恐れがあるため、厚労省が2006年3月に通知で禁止した。
ただ、血に直接触れる針を使い回していたのは3カ所だけ。ほかの施設は針をきちんと交換し、針を覆うカバー部分の「先端キャップ」を使い回していた。
キャップは直接血液に触れないことから、日本感染症学会の砂川慶介(すなかわ・けいすけ)理事長は「リスクは極めて低い」と話す。
使い回しをしていたという松江市の病院に勤める男性医師は「通知違反と言われれば謝るしかないが、ここまで広がっているなら国の通知の仕方にも問題があったのだろう」と話す。
キャップ部分まで問題視することに違和感も根強く、福岡市の男性開業医は「ここまでやると不安をあおるだけ。直接血液に触れないキャップがだめと言うなら、体温計まで使い捨てないといけない。理髪店のかみそりはどうなるのか」とこぼす。
自治医科大付属病院の森沢雄司(もりさわ・ゆうじ)感染制御部長は「現場の感染対策への意識不足がある」と前置きした上で、「リスクの極めて低い事例で、病院名まで公表してもぐらたたきのように騒ぐのではなく、肝炎などの感染症に対する平時からの検診や情報提供態勢を整えるべきだ」と指摘する。(08年8月7日「共同通信」)
◆日医、政府の医療費抑制策に反論
日医はこのほど、平成21年度・政府予算の概算要求で“社会保障費の伸び率抑制策”が依然として盛り込まれていることに関し、「政策転換を図ることが地域医療を再生する第一歩だ」と指摘、年末の予算案編成に向けて修正を求めていく方針を強調した。小泉内閣時代からの約7年間で医療崩壊が進行したことを踏まえ、「安心・安全医療(を損なう事例)が社会問題化している」と現状分析した上で、「国民は医療の充実を求めているにも関わらず、(次年度の政府予算案で)医療費抑制策を継続することは筋が通らない」と解説、思い切った対策の必要性を説いた。
◆厚労副大臣に鴨下議員
政府は8月4日、厚生労働副大臣に鴨下一郎・衆院議員(59歳)を決定した。同氏は日大・医学部(大学院)出身で、医療機関経営などにも実績のある心療内科医。医療問題に精通した自民党の国会議員だが、与野党双方の医療関連議員とのパイプを有しており、「混迷を深める国会運営の中で、(関係各方面との調整を行って)良質な医療提供体制づくりに成果を治められるのではないか」との見方も強くある。
◆東医歯大・川渕教授、歯科需要の拡大など講演
東医歯大の川渕孝一・教授はこのほど、歯科需要の拡大につながる対策等を解説した。主な内容は次の通り。
(先進主要国が加盟する)OECDのデータによると、歯科医療費の集計データのある21ヶ国の中で、日本の国民1人当たり歯科医療費は11位(対GDP比)、歯科医師数(人口1千人当たり)は7位となっているが、国民1人当たりの年間受診回数は第2位だ。(他国と比較して)患者数は非常に多いのだが、歯科治療費(主に診療報酬)が非常に低く、結果的に“OECD加盟国の中位”の歯科医療費に留まっている。
例えば、根管治療(抜髄や根管充填など含む)は、日本(5,839円)、イギリス(9万2,220円)、ドイツ(1万4,146円)、アメリカ(10万8,011円)など。複合レジン充填は日本(2,851円)、ドイツ(6,218円)、スイス(1万4,658円)、アメリカ(2万5,724円)など。抜歯・難抜歯(1本当たり平均)は日本(2,467円)、イギリス(5,220円)、ドイツ(4万9,225円)、アメリカ(3万8,993円)など。
国によって高料金の治療行為は異なるが、大半の国は日本の3~10倍もの治療費を設定している訳だ。ちなみに、ポーセレンのクラウン(1本当たり)は、日本(7万9,689円)、フランス(21万600円)、スイス(9万4,440円)、アメリカ(14万3,339円)であり、保険領域ほどの開きは見られない。
次に、喫緊の課題である「歯科医師需給問題」だが、平成22年度には歯科医師が1万4千~1万8千人の過剰、37年度には2万9千~3万3千人の過剰になると予測されており、①歯学部の入学定員削減、②国試の改革、③保険医登録制の導入、④保険医定年制、などの改革案が言われ続けている。しかし、どれも一長一短がある。今後、重要となるのは「需要の掘り起こし」であろう。
例えば、国民(約1,200名)を対象に行った調査で、「口臭で悩んだ時はどの診療科を受診するか(複数回答〉」と尋ねたところ、歯科が74.1%だったが、内科と耳鼻咽喉科も合計で29.9%ほど存在した。「口内炎ができた」では、歯科が40.3%、内科が43.2%、耳鼻咽喉科が15.8%など。「食べ物・飲み物を飲み込みにくい」では、歯科を受診するとの回答は4.2%、内科が59.9%、耳鼻咽喉科が34.0%、外科・整形外科が5.4%などだ。「顎が痛い、鳴る」でも歯科は18.5%、外科・整形外科が61.9%、内科11.0%、耳鼻咽喉科が10.6%など。この他、「身体にぶつぶつ・ただれができた」「煙草をやめたい」などの設問でも、歯科医院を受診する患者は非常に少ない。
本来は歯科医師が担当すべき領域だが、患者が内科や耳鼻科等を受診してしまう疾患も多いということであり、「顎関節症や嚥下障害等は歯科医師が治療する」との国民的な意識改革が求められているのではないか。
◆新潟・眼科医の保険医登録を取り消し、診療報酬不正請求
診療報酬を不正請求したなどとして、新潟社会保険事務局は6日、新潟市中央区万代4「にしむら眼科」=07年10月に廃院=の西村秀信元院長(54)の保険医登録を今月15日付で取り消すと発表した。西村医師は5年間、再登録できない。
事務局によると、西村元院長は06年4-12月、コンタクトレンズ使用者を「初使用者」と偽るなどして、診療報酬が高くなるようカルテを改ざんした。現在判明している不正請求額は22万4970円(114件)で、西村元院長は「やり方がわからなかった」と話しているという。
06年10月に眼科を受診した患者から「領収書の明細が不明りょう」と情報提供があり、同事務所が県と調査していた。(08年8月7日「毎日新聞」)
◆千葉・診療報酬不正請求:歯科医院長、保険医登録取り消し
診療報酬を不正請求したとして、千葉社会保険事務局は5日、健康保険法に基づき、習志野市津田沼6の歯科医院「袖ケ浦デンタルクリニック」の保険医療機関としての指定を取り消した。また、院長の尾川武彦医師(44)についても、保険医登録を取り消した。
同局によると、尾川医師は05年6月から07年8月にかけ、46人の患者に関し、架空の治療による診療報酬71万6557円を不正請求した。自費診療として患者から料金を受け取った診療について、カルテを改ざんして保険診療に見せかけるなどしていた。【神足俊輔】(08年8月6日「毎日」地方版)
◆沖縄・歯科医250万不正受給、社保事務局、処分へ
宜野座村の「ぎのざ歯科」が診療報酬を不正請求し、少なくとも250万円以上を不正受給していたことが4日、分かった。開業者の荒木かおる歯科医師(40)が琉球新報の取材に不正請求を認めた。荒木歯科医師によると、社会保険事務局は6月末と7月に同歯科の監査に入っており、国民健康保険法や健康保険法の各違反で近く処分を出す見通し。
荒木歯科医師は、「患者が少なくなり、生活が苦しかった。本当に恥ずかしいことをした。月々に、少しずつでも返していかなければと思っている」などと話した。
荒木歯科医師は2005年ごろからカルテを改ざんする手口で、不正受給したという。当初は1カ月に5万円から10万円だったが、ことしに入り月40万円ほど請求するようになった。患者からの不正請求はないと否定した。
カルテ改ざんの際、入れ歯修理の患者に対し新しく作ったことにしたり、ほかの歯科医院で入れた金属のかぶせ物をぎのざ歯科で入れたように装ったという。
荒木歯科医師は県歯科医師会の非会員。(08年8月5日「琉球新報」)
◆千葉・習志野市乳幼児医療費無料化、8月から、小学生の入院費も
習志野市は、乳幼児(0歳-小学校就学前)のすべての医療費と、小学生の入院費用を8月1日から無料化する。これまでは、乳幼児の通院・入院と小学生の入院医療費は自己負担額200円(通院1回、入院1日)だったが、子育て世代の負担軽減を図る。
無料となるのは保険診療分のみで、健康診断や予防接種などは除く。乳幼児の場合は、受診時に窓口で乳幼児医療費助成受給券と健康保険証を提示すれば無料となる。小学生の入院費は、いったん窓口で支払った後、領収書などとともに申請する。(08年7月29日「毎日新聞」)
200807
◆社会保障に経済効果、厚労白書08年原案
厚生労働省がまとめた2008年版の厚生労働白書の原案が26日、明らかになった。
社会保障関連の業務について、国民の暮らしの安全ネットという本来の役割とともに、高齢化に伴う需要増による経済波及効果があると分析しているのが特徴だ。医療や介護を経済活動を行う「産業」としてとらえた場合、経済活性化に有望な分野だとし、「社会保障は個人消費を支え、経済社会の発展に重要」と強調している。白書は8月上旬に閣議に報告される予定だ。
原案では、医療や介護、社会福祉などの産業について、需要増による生産の増加などが各産業の生産をどの程度誘発するかを示す「総波及効果」が、「全産業平均よりも高い」と指摘。精密機械や住宅建築産業などと同程度の経済効果がある、としている。(08年7月27日「読売」)
◆社会保障費の年2,200億円削減撤廃を求める決議」について三師会が合同要請
7月24日に行われた、「地域医療崩壊阻止のための総決起大会」で採択された、「社会保障費の年2,200億円削減撤廃を求める決議」を受けて、25日、竹嶋康弘副会長、羽生田俊常任理事が、日本歯科医師会、日本歯科医師会連盟、日本薬剤師会とともに、町村信孝官房長官、額賀福志郎財務大臣、舛添要一厚生労働大臣、太田弘子経済財政担当大臣、伊吹文明自民党幹事長、谷垣禎一自民党政調会長、二階俊博自民党総務会長を訪問。総決起大会の趣旨説明を行い、決議を手交した。(08年7月28日「日医白クマ通信」)
◆無保険「子どもの命軽視」、民主党、厚労省に改善要求へ
国民健康保険(国保)の国保料を滞納した世帯の子どもが保険給付を差し止められ、「無保険」状態になっている問題が23日、国会内で開かれた民主党の厚生労働部門会議で取り上げられた。「子どもの命を軽視している」など国保運営への批判が殺到。民主党は厚生労働省に事態の改善を求める方針だ。
部門会議では、大阪府寝屋川市の「徳本クリニック」の田中宏事務長が「義務教育以下の世帯を除外する方針を打ち出してもらいたい」と要請。民主党側からは「子どもに罪はなく、早急に全国調査すべきだ」(長妻昭議員)▽「子どもへの資格証明書の発行は児童福祉法違反に当たる」(山井和則議員)▽「子どもを救うために政治判断が必要だ」(蓮舫議員)など救済を求める声が相次いだ。
これに対し、厚労省の武田俊彦国保課長は「資格証明書の発行除外は(国保を運営する)市町村が個別の家庭の事情を見て判断するものだ」と全国調査の実施を拒否した。また、この問題では、無保険のため子どもの受診を抑制するケースも少なくなく、毎日新聞の調べで、借金苦から無保険になった寝屋川市の母子家庭のケースが明らかになっている。民主党が「(無保険を放置する)行政の判断は正しいのか」とただしたところ、武田課長は「市に問い合わせる」と回答し、寝屋川市の対応を検証する考えを示した。(08年7月24日「毎日」)
◆解散総選挙「1月の可能性、一番高い」、民主・鳩山氏
民主党の鳩山由紀夫幹事長は26日、岐阜県多治見市で講演し、解散総選挙の時期について「来年1月あたりの可能性が一番高いと思っている」と述べた。鳩山氏は年末から年明けの解散を望む公明党の事情を説明し、「公明党抜きで選挙を戦ったら惨敗するのは見え見えだから、自民党は公明党を何としても引きつけておくよう努力する。最後は公明党の言うことを、福田首相が聞くか聞かないかだ。聞かざるを得ないなら臨時国会の開会も遅れる」と述べた。(08年7月26日「朝日」)
◆後期高齢者制度、障害者の助成要件見直しを、強制加入問題
厚生労働省保険局は23日付で、後期高齢者医療制度の施行にともなう障害者を対象とした医療費助成の取り扱いについて都道府県に通知した。長寿医療制度により、一部自治体で65~75歳の重度障害者に対し制度に加入しなければ医療費助成を打ち切るケースがみられたことから、助成要件の見直しについて検討し、適切な対応をとるよう求めた。(08年7月25日「メディファクス」)
◆医療制度改革案を議論、民主調査会
民主党は23日、医療制度調査会(会長・枝野幸男元政調会長)を国会内で開き、人口100万人程度の「健康生活圏」ごとに公的医療保険を一元化するなど、これまで党内で検討してきた医療制度改革案について議論した。
調査会は、政府管掌健康保険や国民健康保険などの一元化に向けた具体的な制度設計や財源確保策などを取りまとめる方針。次期衆院選のマニフェスト(政権公約)にも盛り込む考えだ。
枝野氏はあいさつで「衆院選では民主党の医療制度への考え方が、有権者から強い関心を持って迎えられる。速やかにしっかりした結論を出したい」と述べた。(08年7月24日「共同通信」)
◆「小泉劇場」議論置き去り、福田氏、欠陥見抜けず - 後期高齢者医療制度
75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」は、首相小泉純一郎が自作自演する「小泉劇場」の陰に隠れ、十分な議論を置き去りにしたまま誕生した。当時官房長官の首相福田康夫は、その後問題化する制度の「欠陥」を見抜けないまま「聖域なき構造改革」の奔流にのまれていく。
2002年1月21日召集の通常国会は冒頭から波乱含みだった。
患者、医療機関、保険加入者が痛みを分かち合う「三方一両損」の医療制度改革を掲げた小泉は、サラリーマンの医療費自己負担を03年度から3割に引き上げる方針を明言。患者負担増に猛反発する自民党厚生族を「抵抗勢力」とののしり、全面戦争の火ぶたを切ろうとしていた。
この時、80%あった内閣支持率は小泉改革の象徴的存在だった外相田中真紀子の更迭で、一気に20ポイントも急落。3割負担実現のスローガンをおろし、国民の離反を招く事態を小泉は懸念した。
約3週間後の2月9日午前10時。小泉は、厚生族の攻勢を受け3割負担先送りを模索していた厚生労働相坂口力(公明党)に電話を入れ、自らの方針に従うようにくぎを刺した。「自民党は必ずまとめるから心配無用だ」。坂口が「厚生関係議員との問題は簡単ではない。きちんと折り合ってください」と懇願すると、小泉は「分かっている」とだけ言い捨てて電話を切った。
2日後、小泉は国会近くのホテルで開かれた政府、与党会合に福田を派遣して最後通告を突きつける。「3割負担は03年度から実施する。これだけは譲らない。
小泉サイドはそのまま03年度実施で押し切り、引き換えとして厚生族が要望した抜本改革策の検討を了承する。その中に隠れるように入っていたのが高齢者医療制度の創設だった。
ここをピークに小泉は医療制度改革から距離を置き、新たな「劇」の幕を上げる。02年9月の電撃訪朝だ。拉致被害者の帰国などで国民の視線は北朝鮮問題にくぎ付けになっていく。
政府は03年3月28日、医療制度改革基本方針を閣議決定した。これに先立ち、厚労省は75歳以上を対象とする「独立保険方式」、制度間で資金をやりくりする「年齢リスク構造調整方式」の2案を提示。小泉政権は「現役世代の負担を軽減するには独立保険しかない」とする自民党の主張を採用した。
4月からの3割負担スタート前の「駆け込み決着」だった。決定後、小泉と厚生族のバトルに翻弄(ほんろう)された坂口が「抜本改革になっただろうか」と問い掛けると、福田はつぶやいた。「どんな制度にしても野党はいろいろ言う。一歩でも二歩でも前進させよう」
この後、小泉は郵政民営化へ突っ走り、06年2月、後期高齢者医療制度関連法案が閣議決定される。国会審議は医師不足の問題に時間が費やされ、後期高齢者医療制度の問題点に焦点が当たらないまま、与党の賛成多数で6月に成立した。
制度設計から関連法成立まで、政府、与党が一貫して重視していたのは「現役世代の負担軽減」。75歳以上を切り離すことへの感覚は鈍く、後に「姥捨山(うばすてやま)」との批判が出る事態など想定外だった。
「低所得層の負担軽減など微修正は必要だが、骨格は間違っていない」。元厚労相尾辻秀久は08年4月の制度スタート後、そう強調しながら、割り切れない思いを口にした。
「福田さんは小泉政治のツケを払わされて怒られ、内閣支持率も下がる。小泉さんは人気が衰えず待望論さえ出る。理不尽な話だ」(敬称略、肩書は当時)(08年7月24日「共同通信」)