厚生労働大臣 田村 憲久 殿
 
歯科医師による予防接種行為の適法性確保について
行政解釈ではなく法律の制定により行うことを求める
 
福岡県歯科保険医協会
2021年4月22日理事会

1.はじめに
 報道によれば、政府は新型コロナウイルスのワクチン接種について、歯科医師が注射を打てるようにする方向で調整に入ったとされ、厚生労働省が近く有識者懇談会を開き、歯科医師による接種を特例として認める案を示すとされている。
 これは、歯科医師は歯科医師法第17条により歯科医業のみ行うこととされているため、医師法第17条に規定される医業に該当する予防接種を歯科医師が行う場合には、医業を医師のみが行うこととしている医師法に抵触することに起因する。
 今回の問題について、医師・歯科医師の資格を定める医師法および歯科医師法の所管官庁である厚生労働省が、歯科医師による予防接種行為の法律適合性について検討することは、当然のことであろう。
2.歯科医師による検体採取について厚生労働省が昨年示した行政解釈について
 昨年4月27日、厚生労働省は、令和2年4月26日に開催された医道審議会医師分科会及び歯科医師分科会合同による 「PCR検査に係る人材に関する懇談会」での検討の結果を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の診断を目的としたPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の採取の歯科医師による実施の可否についての法的な整理について、「新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の採取の歯科医師による実施について」(令和2年4月27日厚生労働省医政局医事課、歯科保健課事務連絡、以下「4月27日事務連絡」という。)を発出し、一定の条件下での歯科医師による検体採取を行政解釈として認めた。
3.行政解釈ではなく法律の制定により適法性を確保することを求める
 今回も、この4月27日事務連絡と同様に、行政庁による法解釈を示して歯科医師による予防接種行為につき適法性を担保するという方法をとることが予想されるが、4月27日事務連絡も含めて、著しく不適切な方法であると言わざるを得ない。
 なぜなら、今回問題となる歯科医師による予防接種行為の医師法との関係は、刑罰と関連する事項であるためである。刑罰に関わる事項は、現代国家において当然の原則である罪刑法定主義に基づき、法律により定めることが必要不可欠であり、緊急事態の現下においても、揺るがすことのできない原則である。
 上述の通り、今回の歯科医師による予防接種行為は、それが緊急避難的な特例であるとしても、刑罰と関連する行為であるから、罪刑法定主義の原則に従い、法律をもって歯科医師による予防接種行為の適法性を定め、刑罰の対象とならないことを明示することが必要不可欠である。
 厚生労働省は、歯科医師による予防接種行為が医師法違反の違法性を阻却できるかという点について行政としての解釈を示すと予想される。しかし、それは裁判所であくまで一判断要素とされるに過ぎない。
 すなわち、行為の適法性が法律上明定されている場合と比較して、法的安定性に著しい差異があり、明示的に適法性が法定されていない行為については、刑事責任に問われるリスクを負うことになる。
 厚生労働省は、市立札幌病院における歯科医師の医科研修事件で歯科医師の業務範囲についてまったく異なる行政解釈を示し、混乱をもたらした歴史を踏まえなければならない。
4.歯科医師としての使命を果たすために
 人類的課題である新型コロナウイルスの感染拡大に対抗する、現時点で唯一の積極的対策であるワクチン接種をはじめとした今般のコロナウイルス対策に関して、歯科医師法第1条において公衆衛生の向上及び増進に寄与することが法定されている歯科医師が必要に応じて協力することは、当協会としても当然のことであると考える。
5.結論および要望
 当協会は、歯科医師による予防接種行為について、政府・厚生労働省に対し、行政解釈ではなく、国会の議論を通じてその適法性を確保する法律を整備することを強く求める。

以上
2021年1月28日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
逆ザヤを強要する「金パラ」改定制度
抜本的な制度改善を求める
 

 中医協総会は1月27日、歯科用貴金属について「随時改定Ⅰ」実施を確認した。4月以降、金パラ1gの告示価格は2,668円となり、現行の2,450円から218円(8.9%)の引き上げとなる。
 ここ数年の異常な歯科用貴金属の「金パラ」価格高騰に関して、当協会を始め全国の保険医協会・医会・全国保険医団体連合会(保団連)では、歯科医師・歯科医療機関と共に実勢価格と保険償還価格との間に生じる著しい「逆ザヤ」の解消を求める運動を進めてきた。これらの運動により、厚労省は昨年、歯科用貴金属の価格改定について「随時改定Ⅱ」を導入した。
 ところが、2020年は4月の基準材料価格改定、7月の「随時改定Ⅱ」、10月の「随時改定Ⅰ」と1年間で3回の価格改定が行われたにも関わらず、実勢価格と告示価格の乖離が解消されたのは「随時改定Ⅱ」が実施された7月からのごく短期間に限られ、大部分の期間が「逆ザヤ」となっていたのが実態である。
 以下に示す通り、歯科用貴金属の価格改定には根本的な問題が残されたままである。
 第1に、告示価格改定は一定期間の素材価格の平均値に基づいて行われており、今回初めてこの値が明示されたが、この値は歯科医療機関の購入価格である実勢価格を反映するものではない。すなわち、歯科医療機関は製品としての合金を購入しているのであり、合金を組成する金属の素材価格とそれを加工した合金の製品価格である実勢価格とが乖離するのは自明の理である。
 また、厚労省は本来告示価格の改定根拠とすべき市場実勢価格のデータである特定保険医療材料価格調査を行っているにもかかわらずそれを非公開としており、告示価格決定プロセスの不透明さは到底納得できるものではない。
 歯科医療機関に合金を納入している業者は調査が困難なほど多数に上るものではなく、厚労省は実勢価格の変化を把握し、これを告示価格改定の根拠とすべきである。
 第2に、改定施行時の実勢価格と、素材価格を参照する期間とのタイムラグが不可避である上、実態との乖離が拡大するルールとなっている。
 今回参照されたのは2020年12月までの平均値であるが、実際の施行は4月であり、この3カ月のタイムラグが常に発生する仕組みとされている。
 さらに、随時改定ⅠとⅡは要件が異なるため、要件の厳しい随時改定Ⅱが見送られた今回の場合、試算価格算出に用いられる前回改定からの平均価格の参照期間はより長くなり、実態との乖離はより拡大することとなる。
 1点目にも示す通り、厚労省は実勢価格の調査を行い、告示施行直近のデータを告示価格に反映すべきである。
 全国の保険医協会・医会・保団連では、歯科医療機関の経営を圧迫し続けている金パラの実勢価格と保険償還価格の乖離をなくす抜本的な制度の確立の必要性を指摘してきた。
 当協会は、地域医療の担い手である歯科医療機関を維持する責任を負う政府・厚生労働省が、金パラの市場実勢価格を適時に調査・把握し、実態に即した告示価格を設定するための抜本的な制度改善を実施することを強く求めるものである。
 

以上
新型コロナ感染拡大防止に必要なのは「罰則」ではない!
「社会保障」「公衆衛生」そして「口腔ケア」だ!
 
2021年1月26日
福岡県歯科保険医協会 感染対策委員会
 

 
 政府は、1月22日、通常国会に提出する新型コロナウイルス感染症対策の特別措置法および感染症法の改正案を閣議決定した。改正案には、勧告に基づく入院措置に従わない感染者に対する刑事罰や、営業時間短縮命令などに従わない事業者への過料の導入が明記されている。
 この改正案に対して、日本医学会連合、日本公衆衛生学会、日本疫学会、患者の権利法をつくる会、全国保険医団体連合会、東京保険医協会など多くの団体が抗議の声明を発出されている。私たち福岡県歯科保険医協会は、こうした各団体の声明に全面的に賛同し、心からの連帯を表明する。
 患者・国民の皆さんには、今回の法律改正の危険性をぜひ、「自分のこと」として捉えていただくようお願いしたい。今回の改正案は感染拡大を防止するのではなく、罰則を恐れて検査拒否が広がることにより、ますます感染を拡大させ、日本国憲法が保障する「個人の尊厳」や、感染症法の「我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群(注.エイズ)等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である」という歴史への反省に込められた「法の精神」を根本的に破壊するという恐るべき事態をもたらすものである。
 当協会は各声明の論点と合わせ、以下の理由で、今回の法改正による罰則の導入に反対する。

①病気になったとき、ある治療を受けるかどうかを自分で決定する患者さんの自己決定権は、日本国憲法13条「個人の尊厳」により保障される重要な基本的人権のひとつである。「感染拡大防止」を名目に、自己決定権を無視した罰則を背景とする措置の強制が横行すれば、患者さんひとりひとりの意思を無視した入院や検査、ワクチン接種などの強制につながるおそれがある。 

②勧告に基づく入院措置に従わない場合に「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」、感染に関わる情報提供を拒否した場合に「50万円以下の罰金」などの刑事罰を科すとしているが、入院や疫学調査による感染拡大防止という公衆衛生の目的と何ら関連性を有しない手段であり、感染者を「犯罪者」扱いする究極の暴政である。

③緊急事態宣言下で都道府県知事の営業時短・休業命令に従わない事業者に「50万円以下の過料」を科すとしているが、感染拡大防止のための休業要請を実効的なものとするために第一に必要なのは、十分な損失補償である。コロナ禍の長期化と収入減にあえぐ事業者の休業による損失は、もはや受忍限度をはるかに超えている。私たち医療関係者にとって、飲食店をはじめ事業者の方々は、共に地域社会をつくる大切な仲間だ。事業者・従業員の方々の暮らしと命、地域経済を支えるため、徹底補償を求める。

 新型コロナ感染拡大防止に必要なのは「罰則」ではない。今すぐ必要なのは、国民全体への手厚い経済的支援、消費税の凍結・減税・廃止、感染症病床を含む病床削減や公立・公的病院統廃合などの計画撤回、保健所人員増による公的検査体制拡充、75歳以上の患者さんの一部負担金2割化など負担増の中止、医科・歯科医療機関や介護施設の減収補填などの「社会保障の充実」である。
 私たち歯科関係者は、歯科医師法1条にあるように、公衆衛生の向上と増進に寄与するため、社会保障としての歯科医療および健康指導を担当している。歯科関係者が公衆衛生の一環として行う専門的口腔ケアには誤嚥性肺炎を予防する効果があり、新型コロナ重症化予防にも有効であると分析する研究者もいる。世界で最も感染者数が多い「歯周病」と日々真剣に向き合う歯科関係者は、日常的に感染対策に尽力しており、現時点で治療を通じた新型コロナ感染拡大の報告はない。このことは私たちの誇りである。近年の研究で、歯周病の治療は、認知症の発症・進行を遅らせる、インフルエンザ、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など全身の病気の予防・改善につながると指摘されている。政府には、歯科関係者が全力を発揮できる環境を、早急に整える責務がある。
 私たちは、暮らしと平和、基本的人権、民主主義、立憲主義を尊重する歯科医師の団体として、新型コロナ特措法・感染症法の改正案に断固反対するとともに、日常の歯科診療が、患者・国民の皆さんの健康を支える「社会保障」や「公衆衛生」のひとつであるとの自覚のもと、感染症拡大防止に尽力する。

福岡県議会議長・副議長 殿
福岡県議会議員 各位
 
感染経路調査拒否に過料を科す県条例案に反対する
 
2020年12月8日
福岡県歯科保険医協会 感染対策委員会
 

 福岡県議会は、新型コロナウイルスなど新たな感染症への対策を進めるため、感染者に、感染の原因となった行動や経路を特定する県の調査に応じることを義務づける「福岡県ワンヘルス及び人獣共通感染症対策等の推進に関する条例(仮称/素案)」を超党派でまとめた。正当な理由のない拒否や虚偽の報告には、5万円以下の過料を科すとしている。
 私たちは、以下の理由から、本条例案に断固反対する。
我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群(注.エイズ)等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である」、「感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている」。
 これは1998年に制定された「感染症法」前文の一部である。
 感染力が極めて弱いにもかかわらず、ハンセン病やエイズなど感染症の患者さんたちが、差別と偏見、強制隔離、時には強制不妊手術などにより「基本的人権」を著しく侵害された歴史を振り返るとき、県議会議員をはじめとする政治家、行政担当者、報道関係者、私たち医療関係者、そして県民全体にとって、「感染症法」前文は、胸に銘記しておくべき悲劇の教訓であると言える。
 にもかかわらず、本条例案に見られる、過料という制裁を背景とした強権的な感染症行政は、「感染症法」の趣旨と真逆のものであり、「基本的人権」を侵害するおそれが強く、違憲・違法の疑いが濃厚である。
 東京都では「新型コロナウイルスの検査を正当な理由なく拒否した場合、5万円以下の過料を科す」条例案が提案されたが「罰則がある限り賛成できない」など反対の声が上がり、都議会提出には至らなかった。一方、全国に先駆けて、本県で罰則付き感染症対策の条例が可決されれば、「福岡県の人権感覚はどうなっているのか」との批判が集中する事態となるのは明らかである。
 本県条例案の趣旨説明では、過料の目的を調査の実効性確保としているが、全く根拠がない。調査で重要なのは、互いに信頼関係を築くことであるが、罰則をちらつかせて報告させる手法が信頼関係を生むとは到底考えられない。拒否できる「正当な理由」や「虚偽」の内容も不明確である。
 感染症拡大防止のために最優先すべきは、個人に責任と自粛を押しつける強権的行政ではなく、感染症病床を含む病床削減や公立・公的病院統廃合などの撤回、保健所人員増による公的検査体制の拡充であり、事業主、県民全体への手厚い経済的支援だ。
 すなわち、75歳以上の患者窓口負担2割化など負担増の中止、患者・利用者負担の大幅軽減、診療報酬・介護報酬の大幅引き上げ、医科・歯科医療機関、介護施設の減収補填、こうした社会保障の充実こそが、国、地方自治体には緊急に求められているのである。
 歯科関係者が行う専門的口腔ケアにはインフルエンザを予防する効果があることが実証されている。また、新型コロナウイルスは舌の上でも増殖することから、専門的口腔ケアが予防に有効との指摘もある。私たち歯科関係者は、日常の歯科診療が、患者さん、県民の皆さんの健康を支える「社会保障」のひとつであるとの自覚のもと、感染症拡大防止に尽力していく所存である。
 私たちは、暮らしと平和、基本的人権、民主主義、立憲主義を尊重する歯科医師の団体として、本条例案に断固反対する。
 

菅 義偉 内閣総理大臣 殿
田村 憲久 厚生労働大臣 殿
 
後期高齢者の一部負担金2割化の撤回を求める
福岡県歯科保険医協会
2020年11月26日理事会
 

 政府は11月12日、19日に開催された社会保障審議会医療保険部会で、全世代型社会保障検討会議の中間報告及び第2次中間報告を受けて、「現役並み所得」以外の後期高齢者の一部負担割合を現行の1割から2割に倍増する案について議論、11月24日の全世代型社会保障検討会議では、これらを踏まえて年末に最終報告をまとめるとしている。
 厚生労働省は11月19日の社会保障審議会医療保険部会において、後期高齢者の医療費窓口負担の引き上げについて5つの案を提示した。
 新たに2割負担に引き上げられる対象は、最小の案である年収240万円以上(単身世帯)でも約200万人に上り、最大の案である年収155万円以上(単身世帯)では約605万人に上る。すでに「現役並み所得(=年収383万円以上)」とされた約115万人が3割負担とされていることを踏まえれば、最大で75歳以上の44%が対象となる見込みである。
 この間の議論に関する報道によると、厚労省は2018年度の医療給付実態調査では一般区分の後期高齢者の年間の平均自己負担額が1人8万1000円、2割負担となった場合には高額療養費制度の適用で11万5000円に増えるとする仮定を示し、健康保険組合連合会副会長はこの数字をひいて後期高齢者の負担が2倍になることはないと述べ、日本医師会副会長は「外来だけで(月上限の)1万8000円になる人はまずいない。1割を2割にすると間違いなく2倍になる」と指摘したとされている。
 日本医師会による指摘にも触れられているように、厚労省が示した数字は、入院と入院外を区別しない平均値を基に仮定されたものである。
 そもそも患者の受療権は憲法25条の生存権に基づき患者個人に保障されているものである。患者個人に対して生じる一部負担金について、平均値を持ち出して議論すること自体が極めて不当である。
 受診時の負担が受診抑制の要因となることは、これまで様々な調査や研究結果から明らかにされており、75歳以上の個人の収入分布が他の世代に比べて低位に属することも厚労省の国民生活基礎調査で明らかにされている。
 現状でも低収入での生活を強いられている後期高齢者に対し一部負担金を増額すれば、一層の受診抑制をもたらし、憲法上保障された患者の受療権を侵害することは明白である。
 厚労省が提案する「配慮措置」なる案も、激変を緩和する一時的なものに過ぎず、負担増という本質は変わるところがない。
 特に歯科の受診は他科に比べ、家計に大きく左右されるとの調査研究結果が示されている。一部負担金増額による受診抑制の影響は、より負担の大きな在宅医療の機会も多い後期高齢者には顕著に現れることが予想される。その結果、歯科疾患の診療が不十分になれば、後期高齢者の口腔・摂食嚥下機能の低下や、健康を維持できる年齢の低下が容易に推察され、重症化後の受診は医療費の増大も生じさせる。
 政府は国民医療費の削減を目的に一部負担金の増額を企図するが、その結果生じるのは、健康年齢の低下や受診抑制による重症化後の受診であり、むしろ医療費増額をもたらす本末転倒の政策であるとともに、高齢者の口腔機能維持向上を掲げる政府の政策にも逆行するものである。
 政府は憲法上保障された患者の受療権を侵害する後期高齢者の一部負担金増額を直ちに撤回せよ。

2020年10月1日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
実勢価格を反映しない「金パラ」改定制度による「逆ザヤ改定」
抜本的な制度改善を要望致します
 

 ここ数年の異常な歯科用貴金属の「金パラ」価格高騰に関して、当協会を始め全国の保険医協会・医会・全国保険医団体連合会(保団連)では、歯科医師・歯科医療機関と共に実勢価格と保険償還価格との間に生じる著しい「逆ザヤ」の解消を求める運動を進めてきました。
 これらの運動により、厚労省は今年、歯科用貴金属の価格改定について「随時改定Ⅱ」を導入し、7月1日に告示価格を引き上げました。ところが早くも7月22日の中医協では、従来の「随時改定Ⅰ」により、10月1日からの告示価格を30gあたり7万9860円から7万3500円へ6360円引き下げ、本日施行されました。
 10月1日からの告示価格引き下げは、逆ザヤの発生が明白である状況で決定され、実際に改定施行日から逆ザヤとなるという不合理極まりないものであり、歯科医師に怒りが広がっています。
 金パラ逆ザヤ問題の根本が、現在の不合理な価格改定ルールにあることは明らかです。
 第1に、3カ月ごとに改定が検討される今でも、改定施行時の実勢価格と、素材価格を参照する期間とのタイムラグは不可避となっています。今回のマイナス改定の根拠として参照された4~6月の金パラの素材価格は、コロナ禍の需要落ち込みでパラジウム相場が一時的に下落していましたが、中医協の開かれた7月時点では、需要回復と金地金相場の高騰により上昇基調となっており、金パラの実勢価格は一時8万2500円(30g・税込)となるなど、再び逆ザヤとなりました。このように、実勢価格が明らかに上昇している場合であっても参照期間の素材価格が下落していれば告示価格を引き下げるという、極めて矛盾した制度となっています。このタイムラグにより、随時改定Ⅱによっても逆ザヤの解消状態は極めて短期間に限られました。
 第2に、随時改定Ⅰと随時改定Ⅱでは、改定の要件である参照価格変動の幅に差異が設けられており、実勢価格を反映しないものとなっています。今回のように、随時改定Ⅰで5%以上の下落があり引き下げが発動されても、現下の実勢価格上昇基調の下では、1月に予定される随時改定Ⅱでは15%以上の変動がなければ改定は実施されません。随時改定Ⅱの判断期間において15%未満の上昇にとどまった場合には、逆ザヤをさらに3か月間強いられることになります。
 厚労省は、告示価格変更に対する歯科医療機関の事務負担増大を理由に挙げて随時改定ⅠおよびⅡの価格変動幅の差異を説明していますが、これはまったく不合理な主張です。
 現に歯科医療機関では今年、①今年4月の通常の改定、②7月の随時改定Ⅰ、③10月の随時改定Ⅱと、3カ月ごとに3回にわたって告示価格変動に対応しており、何ら問題は生じていません。9月1日に突然保険収載された前歯部CAD/CAM冠に至っては、保険適用の前日の告示でしたが、歯科医療機関は対応を行っています。問題は告示価格変更による事務負担増大ではなく、逆ザヤによる歯科医療機関の経営圧迫そのものにあります。
 全国の保険医協会・医会・保団連では、歯科医療機関の経営を圧迫し続けている金パラの実勢価格と保険償還価格の乖離をなくす抜本的な制度の確立の必要性を指摘してきました。
 地域医療の担い手である歯科医療機関を維持する責任を負う政府・厚生労働省が、金パラの市場実勢価格を適時に調査・把握し、実態に即した告示価格を設定するための抜本的な制度改善を実施することを強く求めます。

以上
2020年9月1日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
財務大臣 麻生 太郎 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
全ての医療機関への緊急財政措置を求める要望書
(126名)
 
 医療機関は国民皆保険制度という公的な仕組みの中で保険診療を実施するなど、公益的な役割を担っています。しかし、診療報酬が低く抑えられ、医療機関の経営はもともと厳しい状況におかれていた中、今回のコロナ危機が直撃しました。地域の医療機関が経営破綻すれば、その地域の患者さん、住民への医療提供、健康の確保に影響を及ぼします。

一、全ての医療機関に対し、減収分の補填や融資の返済猶予、家賃・人件費の補助など、緊急に財政措置を行うこと
 

(私のひと言)
・今後も新型コロナの影響が続くと思われます。なかなかコロナ前の水準に戻すことは困難な状況ですので、国による支援をお考え頂きたいです。
・国民の命を大事にすべし
・感染リスクの高い職場環境の中で、患者の要望に応えるように奮闘しているスタッフの給与カットなどできるはずがありません。損失補てんは待ったなしの状況です。よろしくお願いします。
・何卒、救済の程、お願いいたします。
・コロナに対するもっと徹底した対応を求めます。無駄なものにお金を使い過ぎ(マスク…)
・今年の4月、5月、6月の診療収入は昨年の昨年の同月に比べて1/9~1/10に減収しました。ほとんど休診状態でした。
・緊急事態宣言が発令されて4~5月は、患者の受診控え等で医院の経営状況がかなり悪化し暫くそれが沈静化してきたところに、最近の県においては患者数の莫大な増加により、再び患者の受診控えが起ったり、又万が一 クラスターが発生したら?等自医院でのスタンダードプリコーションを行っていても不安です。
・医療は公共性の高い事業です。公衆衛生に行政は責任を持ち、医療従事者の経営に公的な支援が必要です。自己責任で医療は守れません。
・感染対策にかかる費用は従前の数倍です。アルコール→2~3倍 マスク10~20倍 等こうした時こそ、国が責任を持って迅速に動き、地域医療を支えるべきです。
・是非共、よろしくお願い致します。
・消費税による長年の損税、金パラの逆ザヤ、不採算点数、オンライン請求、電子カルテ等の医療機関への負担押し付け…医療を良くしようという気配は無い。
・コロナ対策、PCR検査(全国民公費負担)を行い、GoToキャンペーンはずっと先送りすべきである。
・小児科と同様、小児歯科も患者さんが激減している。何らかの措置を切に希望します。しっかりとした治療を行って、利益が残る報酬にしてほしい。材料のみや全く利益にならない設定は改善してほしい。
・受診減、金パラ逆ザヤ、10%消費税で医院経営は危機です。一刻も早く国会を開きこれらを検討してほしい。
・患者さんは減る一方で感染対策費用はかさむばかりです。
・歯科診療所での口腔内細菌のコントロールとうがいや手洗い指導は有効と思います。歯科がコロナ予防の最前線であることを認めて下さい。
・コロナにより、経費が増大しましたが、収入は増加せずスタッフへの配慮が大変です。
また患者への対策費用も増大しています。コロナのワクチン、薬の開発等の財政投入が一番です。
・お願い致します。街の歯医者より~
・安定的な医療の提供を行うためにも宜しくお願い致します。
・現状の歯科保険診療報酬は余りにも低く抑制され更にコロナ禍により患者減で歯科医院の経営は危機的状況にあります。
・融資は受けれましたが、返済など今後が不安です。
・治療を中断した患者さんの再来院も無く、初診患者の来院も著しく減少しています。宜しくお願い致します。
・長く続きそうなこの困難ですが、何とか無事に切り抜けるために、ご助力ご支援のほどよろしくお願いします。
・迅速な財政措置を望みます。
・目に見えないコロナの恐怖の最前線で治療に頑張っている方が人件費、家賃は待ってく
れません。減収の補填をお願いします。
・診療所の換気のため入口、窓等を開けて診療しておりますが、それによりクーラーの使用等による電気代だけでもかなり費用が掛かります。他にも見えない部分(一般に)の負担が多くあります。個人医院には厳しいです。
・融資をもっと迅速にしてほしい。手続きを簡略化してもらえると助かる。
・患者さんの激減で収入が減りスタッフへの給与払いが困難になってきつつあります。
・コロナ対策用品だけでなく、金パラをはじめ材料が著しく高くなり、表向きは点数が減らなくても支払いが3~4倍になり、ほとんどの歯科医院歯赤字です。
・特にコロナ感染患者を受け入れた医療機関には早急な財政支援を!
・布のマスクの配布は止めてほしい。
・十分な財源措置による診療体制の改善を望み、一刻も早いコロナの終息を願います。
・早急に国会を開くこと!
・高平均点数で指導によび出されるのではなく、総点数が高いところをよぶ保険の審査方法を変えるべきではないか?まだ開業件数は増えているのに、現実平均点数は下がり続けているかということが問題をあらわしている。
・長びくコロナ禍の中、50%減という高い敷居では給付金は支給されず30%減収での経営難が続いています。このままでは地域の歯科医療は崩壊をむかえます。

2020年8月11日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
広島県知事 湯崎 英彦 殿
広島市長 松井 一實 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
要請
「黒い雨」訴訟の判決を真摯に受けとめ、
速やかに被爆者健康手帳を 交付することを求める

 
「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影 響を受けるような事情の下にあった」
 この当たり前のことが認められるのに 75 年の歳月を要した。 2020 年 7 月 29 日、広島地方裁判所の高島義行裁判長は、この当たり前のこと を初めて正面から認め、原告全員勝訴の歴史的な判決を下した。
 被爆地域以外で原爆にあった住民が自分たちも被爆者と認めて欲しいという 切なる願いが、ようやく認められた瞬間である。
 判決は原告らの供述を重視し、「放射性微粒子を含む『黒い雨』が混入した井 戸水等を飲用したり、『黒い雨』が付着した食物を摂取するなどの内部被曝を想定できる」として内部被曝を認め、さらに「これを要件として、原爆の放射線に より健康被害を生ずる可能性がある事情の下にあった」として被爆者援護法1条3号に該当すると認めた点で画期的といえる。
 住民の証言を一切採用せず、内部被曝を否定し、外部被曝線量だけから原告の 訴えを切り捨てた長崎被爆体験者訴訟の高裁判決と対照的である。
 被爆地域においては一連の原爆症認定訴訟で内部被曝による放射性起因性が認められてきた。一方、被爆未指定地域では内部被曝が認められないという「ね じれ」状態にあった。それが今回の判決で整合性がとれる司法判断となった。
 原告らも高齢化している。国は判決を真摯に受け止め、広島県、広島市におかれては控訴することなく、速やかに原告らに被爆者健康手帳を交付することを求めるものである。

以上
2020年8月7日

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
「10月金パラ随時改定」により再び「逆ザヤ」が生じる事態
「逆ザヤ」解消のため抜本的な制度改善を要望致します

 
 ここ数年の異常な歯科用貴金属の「金パラ」価格高騰について、当協会を始め全国の保険医協会・医会では、保険償還価格との著しい「逆ザヤ」の解消を求めて運動を進めてきました。
 こうした運動に対して今年、厚労省は短期間の大幅な価格変動に対応するとして「随時改定Ⅱ」を新設、7月1日に告示価格が引き上げられ、2年余り続いた異常な「逆ザヤ」によって圧迫されてきた歯科医療機関経営にようやく明るい兆しが見えたかと期待をしておりました。 ところが早くも7月22日中医協は10月1日以降の告示価格について従来の「随時改定Ⅰ」により、現在の30gあたり7万9860円から7万3500円へ6360円の引き下げを決定、歯科医師に落胆と怒りが広がっています。
 今回、改定の根拠として参照された4~6月には、コロナ禍の影響で自動車など製造業の需要が落ち込み、一時的にパラジウム相場は下落しました。しかし7月以降、工業製品製造の復調と金地金相場の高騰により金パラ相場は反転、直近では8万2500円(30g・税込)と上昇基調に転じており、このまま10月からの改定が実施されればまたもや逆ザヤとなることは必至です。
 金パラ逆ザヤの主因がパラジウムの価格変動にあることは、厚労省も国会答弁で認めておられるところです。現在の改定制度は、実勢価格を保険償還価格に反映できない根本的な問題を抱えたままです。参照する実勢価格の告示価格への反映にタイムラグがある上に、随時改定Ⅱは15%の変動により行われるため、10月改定以降の価格変動推移が14%以内の上昇だった場合には、1月の改定は見送られ、4月までの半年間逆ザヤとなる可能性も大いにあります。
 中医協委員からも「実勢価格を公定価格に反映させる時期について違和感がある」との指摘がされていますが、厚労省は「レセコン改修(金パラ価格データの更新)」などを理由に、抜本的な見直しに後ろ向きの姿勢を変えていません。
 加藤厚労大臣の「いずれにしても、こうした市場においてかなり価格が上下する貴金属についての価格をどう設定するかのあり方、これについてはよく考えていかなきゃいけない」というご答弁に沿って、是非とも根本的な制度改善に取り組まれるよう、切にお願いいたします。
 全国の保険医協会・医会では、金パラの実勢価格調査アンケートを継続し、実態に基づいて「逆ザヤ」改善を求めるとともに、こうした価格の乖離をなくす抜本的な制度の確立の必要性を指摘してきました。
 7月の「随時改定Ⅱ」は、あくまでも告示価格が市場価格に追いついたに過ぎず、これまで歯科医院が長きにわたり強いられてきた逆ザヤによる膨大な赤字にも、何ら手当されたことはありません。金パラの逆ザヤが経営に困難を来たしていた所に、新型コロナ感染拡大による診療収入の減少が直撃し、多くの歯科医療機関は経営的窮地に立たされています。
 この状況下で金パラが再び逆ザヤとなれば、歯科医業経営の先行きはさらに不安定なものとなり、さらに地域の歯科医療提供体制への深刻な影響が心配されます。
 金パラの市場実勢価格を適時に調査・把握し、実態に即した告示価格となるよう、金パラの購入価格が過不足なく保険償還されるための抜本的な制度改善を進めることを、政府・厚生労働省に強く求めます。

以上
 福岡県歯科保険医協会では4月15日、下記の要望書を福岡市長に提出しました。この要望書は、4月14日に福岡市が発表した医療機関向けの福岡市独自の緊急経済支援策の内容に関する報道で、「歯科を除く」と伝えられたことに基づくものです。
 なお、高島宗一郎福岡市長は4月15日16時過ぎ、ブログへの投稿で歯科が対象となる旨を謝罪とともに言及しています。
 
2020(令和2)年4月15日

福岡市長 高島 宗一郎 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
福岡市独自の緊急経済支援策について
歯科医療機関を対象とすることを求めます

 
 貴職におかれましては、市民の健康促進、医療・歯科医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。
 私ども福岡県歯科保険医協会は、県内2006名の会員を有する歯科保険医の団体です。歯科保険診療の充実と県民の歯科保健の向上のため様々な活動に取り組んでおります。
 4月14日、福岡市はCOVID-19に関連する独自の緊急経済支援策を発表されました。そこには「感染リスクの中,最前線で頑張っていただいている医療関係者等への支援」として、「市内の医療機関に対し,施設の規模に応じて,1医療機関当たり40万円から600万円を給付します。」との記載がされております。しかし一部報道では、「歯科を除く」市内の医療機関が対象となる旨伝えられています。
 福岡市におかれましては、現在、詳細については調整中であるとのことですが、下記の通り、是非とも歯科医療機関を医科医療機関と同様に支援の対象としていただくよう要望いたします。
 今回の支援策は、「感染リスクの中,最前線で頑張っていただいている医療関係者等への支援」が目的とのことですが、ご承知のように、COVID-19は、呼吸器を通じて感染する疾患です。歯科医療機関での口腔内の処置における感染リスクは、医科医療機関の耳鼻咽喉科等における診察・処置と変わるものではなく、医科と同様の感染リスクの中、歯科医療機関も最前線で対応しています。
 標準的な感染対策を行うことができれば歯科医療を引き続き提供することは可能です。それに加えて、専門的な口腔ケアは呼吸器の感染症リスクを低減させるなど、歯科医療は感染拡大防止にも積極的な役割を果たしています。
 しかし、歯科医療機関での感染対策に不可欠である、マスクや消毒用エタノールなどの供給不足は解消の目途が立っていない上、行政からの援助は、マスクの配布などでも医科に比べて供給量が少ないなど不当な取り扱いを受けており、もっぱら歯科医療機関の自助努力に任されているのが現状です。
 ほとんどの歯科医療機関は零細の経営体であり、休校措置等によりスタッフの確保にも困難をきたし、この間の感染拡大を受けて患者さんの診療キャンセルも相次ぎ、経営的にも危機的な状況となっており、行政からの援助が必要不可欠な状況です。
 医科医療機関と同様に公的医療を担う歯科医療機関の安定的な診療の継続を担保することは行政の責務であると考えます。趣旨を何卒ご理解いただき、対応をお願いいたします。
 以上を踏まえ、下記の通り要望いたします。
 

―記―
一、新型コロナウイルス「緊急事態宣言中の,福岡市独自の緊急経済支援策」の「感染リスクの中,最前線で頑張っていただいている医療関係者等への支援」について、歯科を含むすべての医療機関を対象としてください。
2020(令和2)年3月19日

福岡県知事
小川 洋 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
 
医療機関でのマスク・消毒液および医療用グローブ等
不足の緊急改善を求めるお願い

 
 貴職におかれましては、県民の健康促進、医療・歯科医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。
 私ども福岡県歯科保険医協会は、県内2,013人の会員を有する歯科保険医の団体です。
 歯科保険診療の充実と県民の歯科保健の向上のため様々な活動に取り組んでおります。
 日本国内でのCOVID-19の感染拡大により、歯科医療機関では消毒液および医療用グローブ、マスクが入手できない事態が続いております。
 現在、特にマスク、消毒液の不足は深刻な状態をかかえており、安心安全の歯科医療を提供するためには消毒液および医療用グローブ、マスクは不可欠です。
 特に消毒液は院内の在庫が無くなってしまいかねない状況です。
 また、医療用グローブは多くを中国で生産をしていることから、既に供給不足が生じ、今後さらに入手できなくなることが懸念されています。
 報道によればマスクについては、供給の改善が進められる模様ですが、県内のすべての歯科医療機関に行き渡るには時間がかかり、さらに供給方法にも懸念があります。
 厚労省経済課の事務通知によれば、各保健所を通じてとなっておりますが、実態としては県医師会・県歯科医師会を通じての配布となっているかに聞き及んでおります。
 当会の会員にも歯科医師会未加入者がおられますが、福岡県内でそれぞれ数百件の歯科医師会未加入者、医師会未加入者がおられると聞き及んでおります。
 COVID-19の感染対策のため、継続的に安心安全の歯科医療を提供するために、各保健所を通じて、すべての医療機関にマスク・消毒薬等の配布を緊急に実施いただくよう要望致します。
 

―記―
[要望項目]

 
1、県内歯科・医科医療機関に対し、既に日常診療に支障をきたしているマスク、手指消毒用のアルコール、使い捨て手袋等、緊急に改善するため優先的に、供給を行ってください。
その際、歯科医師会・医師会未加入の医療機関にも行き渡るよう、各保健所を通じて対応をお願いいたします。
 
2、新型コロナウィルスの感染が疑わしいと医師が判断した患者については、全例PCR検査を受けられるよう、県の責任で緊急に検査体制を拡充すること。

以上

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
 

― 抗議声明 ―
歯科用金属「金パラ」逆ザヤ拡大を強要する不当改定に抗議する
政府・厚労省は逆ザヤを即刻解消せよ

 
 当会は、歯科治療に欠かせない金属材料である金銀パラジウム合金(金パラ)の市場価格の高騰による告示価格との著しい差額がもたらす逆ザヤが、歯科医療機関の経営と患者・国民の口腔の健康を脅かしていると再三にわたり指摘し、即刻解消を繰り返し求めてきた。
 4月1日実施の診療報酬改定で、告示価格は1g 2,083円、通常の取引単位である30g換算では62,490円とされた。しかしあるまじきことに、前回改定時13,726円(2019年10月)だった逆ザヤは、27,760円へと1万円超も拡大した(下図、全国保険医団体連合会「金パラ『逆ザヤ』シミュレータ」調べ)。これは、歯科医療機関に更なる負担を強要する異常かつ不当な改定である。
 根本には、厚労省が歯科用貴金属価格の改定に用いている基準材料価格改定と随時改定という現行の制度がある。この制度は、価格高騰中に改定を行った場合、逆ザヤの解消が不可能であることが確定的となる致命的な欠陥を有しており、すでに改定制度として破綻している。
 そもそも保険診療において必要な材料の告示価格が購入価格を下回ることがあってはならない。
 歯科医療における金パラ逆ザヤ解消への再三にわたる要望に応えない国・厚労省の不作為は、歯科医療機関の経営を日々圧迫し、破綻へ導きかねない。この問題を長期にわたり放置し、医療の質と量を担保する責任を果たさない国・厚労省の責任は極めて重大である。
 これは患者・国民への歯科医療提供を脅かすものに他ならず、保険医の経営と生活を守り、国民医療の向上を目指す団体として、断じて容認できない。
歯科医療における金パラ「逆ザヤ」の即時解消のための緊急の措置を、政府・厚労省に強く求めるものである。

2020年3月6日
福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司(会員2009名)

 

2020(令和2)年2月28日

安倍 晋三 内閣総理大臣 殿
加藤 勝信 厚生労働大臣 殿

福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司(会員2012名)
 
新型コロナウイルス (COVID-19) 感染対策および
診療報酬改定に関する緊急要望書

 
 日頃は国民医療の発展にご尽力いただきまして、誠にありがとうございます。
 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。
 日本国内でCOVID-19の感染者が増加しています。政府は緊急な対策強化を行っていますが、感染拡大が懸念され、現状では沈静化のめども立たない状況です。
 このままの状態が続けば、スタッフや衛生材料・消毒用薬剤等の不足により、休診をせざるを得ない医療機関が生じるのは必至であり、医療提供が不可能となるだけでなく、スタッフの雇用の維持、歯科医療機関の経営にも大きな損失が生じかねません。
 いま、歯科医療機関では、標準的な感染対策に不可欠なマスクや消毒用エタノールなどをはじめとする衛生材料や消毒用薬剤等の供給が滞っており、このまま推移すれば診療の継続は不可能となります。歯科治療においては患者さんにマスクを外してもらい、近距離で口腔内をエアータービンで切削するという、従事者の「飛沫感染」のリスクが高い特殊な環境下にあります。
 歯科医療機関におけるCOVID-19感染対策について、国が行う明確な対応策を早急に発出すべきです。
 診療報酬改定の実施が4月1日に迫っております。この間の改定では医療機関への改定内容の周知が不十分なまま新点数が適用され、実施以降に膨大な疑義解釈や事務連絡によって算定方法の取扱いや修正が示されることが頻発し、医療機関は混乱を極めるのが常態化しております。
 それに加えて、今回の改定においては各地方厚生局が実施する集団指導(説明会)の中止など、歯科医療機関への周知が図れない状況であることはご承知の通りです。
 また、特に歯科医療機関では、「か強診」「歯援診」の施設基準について、経過措置として2020年4月1日までの再届出が必要となっていますが、施設基準に定めのある研修会の中止・延期等により、届出が不可能な医療機関も生じかねない状況となっております。
 COVID-19対策および診療報酬改定につきまして以下の点を緊急要望といたします。

 
― 記 ―
 
①医療機関に対しては診療に必要なマスクおよびゴーグル、グローブ、消毒用エタノールを優先的に供給すること。
②感染拡大防止のために歯科医療機関を休診にした場合などに対応するスタッフの休業補償、歯科医療機関の経営維持などを行うために必要な緊急財政措置を確保すること。
③医療機関に対する風評被害がこれ以上広がらないよう対策を講じること。
④厚生労働省が実施する3月5日の診療報酬改定説明会(技官会議)の動画データ・資料等を各医療機関に個別に配布する手配を各地方厚生局に指示されること
⑤2020年3月31日に到来する施設基準の経過措置期限の延長をすること。
⑥「金パラ」価格の異常な高騰状況に鑑み、歯科用貴金属材料価格改定については、歯科医療機関の長期の多額にわたる逆ザヤを早期に解消する内容で実施すること。
以上

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

ー緊急要望書ー
歯科材料「金パラ」価格逆ザヤは、もはや限界
「逆ザヤ」の即時解消を、政府・厚労省に強く求めます

 歯科治療に欠かせない金属材料である金銀パラジウム合金(金パラ)の価格が高騰を続け、歯科医療機関での購入価格が保険償還価格を上回るいわゆる「逆ザヤ」が、歯科医療機関の経営と国民の口腔の健康を脅かしている。
 当会はこれまでも金パラ逆ザヤの拡大が歯科医院の赤字の増大が診療の質を低下させる恐れを指摘し、直ちに解消するよう訴えてきた。昨年からの金パラの市場価格は、工業製品としての需要増や投機マネーの流入を受けて、2019年4月の49,000円から79,000円へと60%以上も上昇(2020/1/22時点、当会調べ)しており、逆ザヤ問題の解消には一刻の猶予も許されない。
 全国保険医団体連合会が全国の歯科医療機関での実際の金パラ購入価格を調査した「金パラ『逆ザヤ』シミュレータ」でも、次のような深刻かつ異常な実態が明らかとなっている。
 各月の金パラ購入価格平均(税込・30グラム、2020年1月26日時点)は、2019年9月の59,266円、10月63,965円、11月65,595円、12月67,750円、2020年1月には75,420円となり、この短期間でも市場価格はさらに高騰を続け、告示価格50,250円に対して取引によっては80,000円を超える異常事態となっている。
 そもそも保険診療において必要な材料の告示価格が購入価格を下回ることがあってはならない。金パラ逆ザヤを長期にわたり放置し、医療の質と量を担保する責任を果たさない国・厚労省の責任は極めて重いと言わざるを得ない。
 厚労省が実施している金、銀、パラジウム、それぞれの「素材価格」の調査と告示価格決定のプロセスが未だにブラックボックスであることに加え、根本的な問題は、医療政策に責任を負う厚労省が、公的医療制度の一端を担う歯科保険診療において健康保険法や療養担当規則等で「代用合金」として使用材料に大きく制限を設け、歯科医療機関に材料料のマイナスを負わせ続けてきたことにある。このままでは、患者に提供する医療の質に影響しかねない。
 国民への医療提供に責任を負う国・厚労省は、告示価格に市場価格を反映し、逆ザヤを即時に解消しなければならない。公定価格に市場価格を連動させることは、行政の認可が必要な航空会社の燃油サーチャージなどですでに実施されており、保険診療だけ導入できない理由はない。
 現在の不合理な制度がもたらした歯科医療機関の経営悪化に追い打ちをかけるように、世界情勢の変動を受けた投機的な動きにより、2020年1月のパラジウム価格は1日単位という極めて短期間で急騰、金の価格も上昇している。
 今起こっていることは、一部の投機家の利益追求によって、歯科医療機関の経営が圧迫され、国民多数への歯科医療提供が脅かされている事態に他ならない。保険医の経営と生活を守り、国民医療の向上を目指す団体として、断じて容認できない。
 歯科医療における金パラ「逆ザヤ」の即時解消と告示価格の即刻再改定を、政府・厚労省に強く求めるものである。

2020年1月28日
福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司

 
集会アピール 

地域医療・障害者医療・政策医療に必要な
公立・公的病院の再編統合を中止させよう

 
 厚生労働省は2019年9月26日、再編・統合の必要性があるとして全国424の公立・公的病院等の名称を公表し、「再検証」を求めてきました。県内では、すでに「地域医療構想をふまえた公的医療機関2025プラン」が承認されている13病院が公表されました。
 公表された病院はどの病院も地域医療、政策医療、障害者医療にとってなくてはならない病院であり、今回の厚生労働省の一方的な公表は断じて認めるわけにはいきません。
 県の説明では、国は「構想区域地域医療構想調整会議」において協議し、再編統合を伴わない場合は本年3月末まで、再編統合を伴う場合は9月末までに一定の結論を得ることを要請しています。
過去の統廃合反対運動の経験からも、再編統合案が決定される前に運動を広げることが、国の強行を阻止することにつながります。
こうした緊急の情勢を受けて、公表された再検証対象の県内13の公立・公的医療機関を引き続き存続していくことを世論に訴えていくため、本日の集会を開催しました。集会では以下の点を決議します。
 
一つ 厚生労働省が再検証によって機能縮小・統合再編を求めていることに対して、県内13病院の公的医療機関「2025プラン」の再承認を要求します。
 
一つ 今後、民間医療機関に対する「対応方針」策定の際には、今回のように地域医療や医療内容の特殊性を考慮せずに再編統合病院名を公表するようなことはしないよう要求します。
 
一つ 今回の再検証病院の公表に対して、医療・福祉従事者が、労働組合・労働者代表、患者・家族、各団体関係者、地域住民などと幅広く連帯し、公的医療を守る運動の先頭にたってアピールしていくことを表明します。
 
以上決議します。

 
2020年1月18日
公立・公的病院を守る福岡県医療・福祉従事者決起集会
 
 

 

 

ー福岡県社会保障推進協議会 会長談話ー
地域の実情や現場を無視した病院再編・統合に抗議し、
地域住民の要求に寄り添った地域医療の充実を求めます。

 厚生労働省は9月26日、地域医療構想において再編・統合の必要性があるとする424の公立・公的病院等の名称を一方的に公表し、ウェブサイトにも「再検証要請対象医療機関」として掲載、地域医療構想の具体的方針を1年以内に見直すよう求め、1455の公立・公的病院等を対象に、「診療実績が少ない」「他の医療機関と競合している」などの分析で、「再検証」と称した病床数の削減・変更、診療体制の見直し等を求めています。
 政府は、『骨太の方針2019』でも「医療提供体制の効率化」として病院や診療所の病床数の削減を掲げています。政府による一方的かつ突然の再編・統合の要請対象の発表は、不足している医師・看護師・介護職員など医療従事者の確保に影響し、患者・地域住民に不安を与え、対象医療機関の運営を困難にしかねない事態を招くことが想定されます。
 福岡県内では13病院が「再編・統合の検討対象」として発表されています。
 13病院のうち、「国立病院機構大牟田病院」は、神経・筋疾患、肺がんに加えて、2004年12月に廃止された旧国立病院機構筑後病院が担ってきた難病などの政策医療を引き継いできた病院です。
 「北九州市立総合療育センター」は、重度心身障がい児者の医療施設で、障がいのある人の療育および医療の中核病院として位置付けられ、「総合せき損センター」は、脊髄損傷の専門病院として、「県立粕屋新光園」は肢体不自由児の医療施設として、福岡県内のみならず国内有数の政策医療の中心的な担い手として重要な役割を果たしています。
 このように障がい者医療や政策医療などの特別な事情を一切考慮せず、一般の医療機関では治療が困難な患者を診ている病院を4病院も名指しして統合・再編を要請する厚生労働省の対応は正気の沙汰ではないと言わざるを得ません。
 そもそも厚労省が表明した「再検証」は、手術件数などの診療実績から機械的に対象病院を決めており、地域の実情を反映しない実態とかけ離れた項目を分析対象としています。それぞれの病院が有している地域医療を守ってきた歴史、さらに地域での役割や交通事情、難病やリハビリなどの特別な医療提供で果たして来た機能・役割の評価が抜け落ちています。
 今回の「再検証」は、これまでも病院の再編・縮小が行われてきた状況の中で地域医療を支える医療機関の努力を無にし、地域医療を崩壊させるものであり、患者・住民、医療従事者、医療関係者の合意を得ないままの一方的な発表は、患者や地域に混乱をもたらすものでしかありません。
 住民の意思、病院と地域の成り立ちを無視した病院再編・統合は、地域の医療を崩壊させるだけです。
 厚労省は、「再検証」と称した病院名発表を直ちに撤回し、地域住民の要求に寄り添った地域医療の充実を強く求めるものです。
 福岡県社保協は、どこでも、だれでも、必要な医療・介護が十分に受けられる体制整備に資するものとなるよう、地域医療を守り、社会保障拡充の運動に全力をあげる決意です。

2019年10月8日
福岡県社会保障推進協議会
会 長 田村 昭彦

-理事会抗議声明-

厚生労働大臣 根本 匠 殿
厚労省は、歯科材料料改定のプロセスと根拠を明らかにし、「金パラ」価格逆ザヤを即刻解消せよ

 当会は、昨年9月からの半年間で金パラの市場価格が工業製品としての需要増や投機マネーの流入を受けて37~38%も上昇し、歯科医院の赤字の増大による診療の質の低下の恐れを指摘してきた。また、過去10年間でも、これによる歯科医院側の逆ザヤは約250億円に上っている。
 厚労省は、この異常な状況で今年4月の随時改定を見送った上に、残念ながら今回も根本的な対策を講じずに、告示価格を1g 1,458円から1,675円、14.88%の引き上げとしたが、8月末の金パラの実勢価格は1,830円/1g台であり依然として大幅な乖離が存在する。
 ましてや、今回の価格改定は、10月からの消費税増税実施と同時となり、歯科医療機関が一層の経済的負担を強いられる中での改定である。このままでは、患者に提供する医療の質にも影響しかねない。
 根本的な問題は、歯科医療機関は金銀パラジウム合金を製品として購入しているのに対し、基準材料価格改定及び6ヵ月ごとに行われる随時改定いずれにおいても合金の価格ではなく、金、銀、パラジウムそれぞれの「素材価格」を調査しているに過ぎず、その調査と決定のプロセスも不透明であることにある。現状の方法を継続する以上、合金価格の方が素材価格より高価になる市場価格と告示価格に乖離が生じることは自明の理である。
 このような告示価格改定方法の根本的な見直しなくして、逆ザヤを現場に負わせている現状は変わらない。
 歯科保険診療は公的医療制度の一端を担っており、歯科医療に対して健康保険法や療養担当規則等で使用材料に大きく制限を設けている一方で、歯科医療機関に材料料のマイナスを負わせることは到底許されることではない。
 政策的責任を負う厚労省として、急激な価格変動へ対応出来るシステムを検討すると同時に、金パラ告示価格改定に関する市場価格調査結果や材料料決定のプロセスと根拠を明らかにするとともに、歯科医療機関が抱える金パラ逆ザヤ問題を一刻も早く解消するよう要求する。

 2019年8月29日 第3回理事会
福岡県歯科保険医協会
会長 大崎 公司

 
第42回定期総会アピール
平和と社会保障を国民の手に取り戻そう
=憲法、国民の声を顧みない政治に終止符を=
 安倍政権が2013年以降の7年間に削減した社会保障費は少なくとも4兆2720億円にのぼる。「全世代型社会保障」をめざすとして、医療分野では①75歳以上の窓口負担2割化、②外来受診時定額負担、③市販品類似薬の患者負担の引き上げなど、介護分野では①軽度者の生活援助サービスなどの地域支援事業への移行、②ケアプラン作成有料化や多床室室料の給付削減などの法案が来年の通常国会に提出予定となっている。
 さらに、国内消費が冷えこむ中で、消費税が10%に引き上げられれば、医療現場では患者さんの受診抑制がさらに強まる怖れがある。医療機関は、消費税分の上乗せ価格で、医療機器や医薬品、医療材料などを購入しているが、医療は消費税「非課税」のため、患者さんが支払う窓口負担に消費税分を上乗せできない。そのため、現在でも医療機関には莫大な控除対象外消費税負担(「損税」)が発生し、経営を著しく圧迫している。消費税10%増税はただちに中止し、「応能負担原則」による大企業・資産家への累進課税の徹底・強化が求められる。
 民意を無視した辺野古新基地建設、公的年金の市場運用、TPP11、日欧EPA、種子法廃止、水道民営化、原発再稼働、改憲への動き、軍事費増大、カジノ法など、安心・安全の医療や平和を脅かす政治・外交路線が進行中である。
 日本国憲法違反の安保関連法、秘密保護法、いわゆる「共謀罪」法はただちに廃止させ、憲法25条で定められた、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利など、憲法を守り、暮らしに活かして、平和と社会保障を国政の基盤に据えることが急務となっている。
患者さん・県民と共に、各界・各層と連携し、「社会保障としての歯科医療」の確立、社会保障の充実、重すぎる患者窓口負担の大幅軽減、「いつでも、どこでも、だれでも」安心して医療が受けられる社会を実現する運動にますます邁進するために、全力を挙げて、以下の要求実現に向けて取り組むことを表明する。

 

― 記 ―

 
1、中学卒業までの子どもや高齢者の窓口負担無料、患者窓口負担の大幅軽減を実現すること。
2、国民健康保険は社会保障である。制度保全のため、国が財政的責任を負うこと。
3、社会保障財源は応能負担原則に基づいて確保し、消費税増税は即刻中止し、医療機関での「損税」解消を図ること。
4、保険医と保険医療機関に対する指導・監査は、保険医の人権と患者の療養権が確保されるよう改善すること。
5、基礎的技術料をはじめとした診療報酬を正当に評価し、歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金パラ)の公的価格決定の根拠・プロセスの開示、歯科医療機関が抱える逆ザヤ(赤字)を一刻も早く解消すること。
 

以上
 
2019年5月26日 福岡県歯科保険医協会第42回定期総会
 
 

会長談話

厚生労働大臣 根本 匠 殿
歯科医療機関が抱える金パラ逆ザヤ問題を一刻も早く解消するよう求める

 歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金パラ)の市場価格が異常高騰し、歯科医療現場の経営圧迫に拍車をかけている。特に昨年下半期以降、パラジウム地金相場高騰のあおりを受け、金パラの市場価格は昨年9月に比べ、実に約37%も上昇しているのである(今年3月時点での価格。当会調べ)。
 このような異常な状況にもかかわらず、金パラ保険告示価格の4月の随時改定は見送られ、歯科医療機関に医療材料料の「逆ザヤ」を押し付ける格好となっている。過去にも金パラ保険告示価格については、地金相場の変動や市場価格との乖離が問題視され、告示価格改定方法の見直し等もなされてきた。だがそうした対応でも、過去10年の累積でおよそ250億円もの逆ザヤを現場に負わせたことからもわかる通り、根本的な改善策とは言い難い。急激な価格変動への対応ができないシステムそのものを見直す時期である。
 そもそも歯科保険診療は公的医療制度の一端を担っており、健康保険法や療養担当規則等で使用材料に大きく制限を設けながら、一方で国の責任を歯科医療機関にマイナスとして負わせることは到底許されない。
 歯科医療機関の経済的負担は増す一方であり、患者に提供する医療の質にも影響しかねない。政策的責任を負う厚生労働省には、金パラ告示価格改定に関する市場価格調査結果や材料料決定のプロセスと根拠を明らかにすることとあわせ、歯科医療機関が抱える金パラ逆ザヤ問題を一刻も早く解消するよう求める。
2019年4月12日
福岡県歯科保険医協会
会長 大崎 公司

各位
※福岡県歯科保険医協会は、2019年4月12日に会長談話を発出いたしました。
【連絡先】〒812-0016 福岡市博多区博多駅南1丁目2-3 博多駅前第一ビル8階
電話092-473-5646/FAX 092-473-7182 担当事務局 七里


  第41回定期総会決議
平和と社会保障を国民の手に取り戻そう
=憲法、国民の声を顧みない政治に終止符を=
2018年5月26日(土)
 安倍政権のもとで、改ざん、隠ぺいという法治国家を瓦解させる問題が次々噴出している。
 財務省は、森友学園への国有地売却について、公文書を改ざんしていたことを認めた。加計学園の獣医学部新設をめぐる問題では「本件は首相案件」とする決定的文書が出てきた。自衛隊がイラク「日報」を隠ぺいした問題も浮上している。「働き方改革」では、裁量労働制をめぐるデータが捏造されていた。全ての問題の根底には、安倍政権の憲法・国民の声を無視する独善的な政治姿勢が存在している。徹底究明および速やかな内閣総辞職を求めたい。
 これまでに社会保障は全面的に後退させられ、「ワーキングプア」「下流老人」などの言葉が広がり、あらゆる年代・階層で格差と貧困が拡大している。
 4月からの国保都道府県単位化では、厚労省が国保赤字自治体へ、保険料率の負担増、収納率の強化、医療費削減などを迫る動きも強まっている。
 また、今年度末までに、①75歳以上の窓口負担の原則2割化、②薬剤の自己負担引き上げ、③かかりつけ医普及を理由とした受診時定額負担などが、厚労省などで検討されることになる。
 さらに、TPP11、種子法廃止、原発の再稼働、沖縄辺野古新基地建設、マイナンバーの利活用拡大、改憲への動き、軍事費の増大などが、安心・安全の医療や生活・平和を脅かしている。
 
 長年低く抑えられた歯科医療費も根本的に改善されていない。危機的状況ではあるが、当協会、保団連の運動の成果も大きい。①今次診療報酬改定では、日常診療で医科歯科連携が進むように診療情報連携共有料が新設された。②医療・介護フォーラムなどで「口腔と全身の健康の密接な関連」を訴え続け、国民の歯科医療への期待は、かつてなく高まっている。③「ふくおか子どもの医療を守る会」などの運動を契機とする「子どもの貧困」の調査報道も広がりを見せている。
 
 これらの運動で得た絆・つながりを手がかりに、私たちは、国民各界・各層と連携し、社会保障を充実させ、重すぎる患者窓口負担を大幅軽減して「いつでも、どこでも、だれでも」受診できる社会を実現する運動に邁進する。全ての国民が健康で幸せに生活できることが、保険医の経営と生活を守ることにもつながると確信している。
 本日、私たちは、以下の要求実現に向けて、全力を挙げて取り組むことを表明する。
― 記 ―
1.中学卒業までの子どもや高齢者の窓口負担無料、患者窓口負担の大幅軽減を実現すること。
2.国保は社会保障である。地域住民の健康を守るため、国が財政的責任を負うこと。
3.逆進性の強い消費税増税は中止すること。医療機関にはゼロ税率適用、損税解消を図ること。
4.指導・監査は、保険医の人権と患者の療養権が確保されるよう改善すること。
5.国民の命と暮らし、食、雇用や地域経済を脅かすTPPから完全に撤退し、国民生活と公的医療保険制度を脅かす貿易交渉は今後一切行わないこと。また種子法廃止は撤回すること。
6.疲弊した歯科医療機関の経営を改善し、よりよい歯科医療を提供するために、基礎的技術料をはじめとした診療報酬の正当な評価を行うこと。
7.震災・原発被害(災)者の生活再建、医療・介護の保障を国の責任で実現すること。
8.日本国憲法を守り、暮らしに活かして、社会保障と平和を国政の基盤に据えること。憲法違反の安保関連法、秘密保護法、「共謀罪」法はただちに廃止すること。
9.被爆国として核廃絶を訴え、脱原発社会、再生可能エネルギー中心の社会に転換すること。
以上

新点数検討会決議
2018年3月22日(木)「筑後会場」
3月24日(土)「北九州会場」
3月25日(日)「福岡会場」 
福岡県歯科保険医協会新点数検討会参加者一同
809院所1260名
 2018年度歯科診療報酬の改定率は、わずか0.69%の引き上げにとどまった。身を削る思いで経営を維持している歯科医療機関の状況を改善するには、程遠い改定率である。
 中医協の医療経済実態調査では、歯科診療所の収支差額(月額)の最頻値が、1993年から20年間で約60%も減少し、昨年発表された「第21回医療経済実態調査」でも、人件費など諸経費の削減で、なんとか経営を維持している歯科診療所の厳しい実態が浮き彫りになっている。
 国民医療費全体に対する歯科医療費の割合も6.8%(2015年)まで低下し、歯科診療所の経営は厳しくなる一方である。
 コ・デンタルスタッフの労働を診療報酬上で正当に評価することと、社会的な問題になりつつある歯科技工士の長時間労働・低収入を改善するための処方箋を示すことは、制度を管轄する厚労省・政府全体の責任である。
 政府・財務省は「75歳以上の患者窓口負担の原則2割化」を推し進めるなど、更なる改悪を進めようとしている。貧困層の拡大が問題視されている中での負担増は、受診抑制に繋がり、更なる疾病の重症化を招きかねない。
 私たちは、診療報酬の引き上げとともに、患者さんが安心して受診できるよう、新たな患者負担増は行わず、患者窓口負担軽減を求めるものである。
― 記 ―
一、歯科医療従事者が、安心して働くことができ、患者さんに寄り添った歯科医療が提供できるよう、診療報酬を改善すること
①初・再診料をはじめ基礎的技術料を大幅に引き上げること
②院内感染防止対策に係る新たな施設基準で努力義務の一方的な押しつけ、包括化、施設基準未届け歯科医療機関への初・再診料の減算をやめること。院内感染防止対策費用は個別の評価を設けること
 一、医療機関の格差拡大・選別に繋がる施設基準は見直すこと
 一、歯科技工士、歯科衛生士の評価を抜本的に高めること
 一、75歳以上の窓口負担2割化をはじめとする新たな患者負担増の計画は中止し、患者窓口負担を軽減すること
 一、社会保障費の削減は止め、医療・介護・福祉等を重視した政策に転換すること

福岡県歯科保険医協会第6回理事会

安全・安心な医療を提供するために
技術料を中心に診療報酬の10%以上の引き上げを求めます
2017年11月30日(木)
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
中央社会保険医療協議会 会長 田辺 国昭 殿
  
 診療報酬は医療機関の経営の原資であるとともに、患者が受ける医療の内容や質・量を規定するものである。患者に安全・安心な医療を提供するために、必要な人件費や設備関係費を確保できる技術料の評価が不可欠である。
 2002年からの連続4回のマイナス改定は、医療現場を疲弊させ、「医療崩壊」を引き起こした。これを元に戻すために8%以上、さらに14年の消費税対応分を除いたマイナス1.26%を考慮し、少なくとも10%以上の診療報酬の引き上げを求める。診療報酬の引き上げを国民負担と対立させる単純な見方は明らかに誤りであり、患者が安心して受診できるように、診療報酬の引き上げと窓口負担の軽減は共に実現されるべきである。われわれ歯科医療従事者は地域医療を担うものとしてこれを真正面から正々堂々と要求する。
 11月8日に中医協に示された「第21回医療経済実態調査」では、2016年度に「損益率」が「マイナス」(赤字)となった一般医科診療所は25.7%、歯科診療所で12.9%となり、2014年度(改定年度)の各々17.8%、7.9%(前回調査)より大きく増加している。また「対前年度増減」で「マイナス」(経営悪化)となった一般医科診療所が55.3%、歯科診療所では49.5%と半数を占めることが判明した。長年の診療報酬抑制を背景に、医療現場の過重労働が大きな問題となっている。介護分野においても10月26日に示された介護事業経営実態調査結果では、16年度全体の平均収支差率は3.3%で大幅に低下している。
 診療報酬、介護報酬の引き下げは、社会保障充実を心から願う国民の期待に背を向けるものである。マイナス改定によって医療機関や介護事業所の経営悪化や現場の労働環境の悪化がさらに進むと、患者の受ける医療・歯科医療の質の低下や地域住民の医療へのアクセス制限などがおこり、「医療崩壊」を招くことになる。われわれ歯科医師は地域の安全・安心の医療・介護供給体制を保持するため診療報酬と介護報酬の10%以上の大幅な引き上げを求める。

福岡県歯科保険医協会 第40回定期総会決議
平和と社会保障を国民の点に取り戻そう
=憲法、国民の声を顧みない政治に終止符を=
 2017年5月27日(日)
 これまでの安倍政権による暴走の矛盾が露呈し、国会では、南スーダン派遣の陸自「日報」隠ぺい、共謀罪、森友学園の土地取引疑惑などが激しく追及されている。いずれも、民主主義・文民統制・思想及び良心の自由など日本国憲法の根本理念を揺るがす重大な問題だ。首相はじめ政府には説明責任を果たすことを求めたい。
 現政権の下で社会保障は全面的に後退させられ、「ワーキング・プア」「下流老人」などの言葉が広がり、あらゆる年代・階層で格差と貧困が拡大している。
 「70歳以上の患者負担上限引き上げ」、「後期高齢者の保険料軽減特例措置の廃止」など医療の負担増・保険外し、「現役並所得者の利用料3割負担化」、「利用料の負担上限引き上げ」など介護の負担増・保険外し、「年金給付水準の引き下げ」などが2017年に法案提出また実施が検討されている。
 さらに、TPPを前提とする日米2国間協議、原発の再稼働、沖縄辺野古新基地建設、マイナンバーの利活用拡大、改憲への動きが、安心・安全の医療や生活・平和を脅かしている。
 長年低く抑えられた歯科医療費も根本的に改善されていない。危機のなかではあるが、当協会、保団連の運動の成果も大きい。①「女性医師・歯科医師開業医会員アンケート」は、3割近くが産前休暇「ゼロ日」などの実態を明らかにし、各メディアで取り上げられた。②医療・介護フォーラムで「口腔と全身の健康の密接な関連」を訴え続け、国民の歯科医療への期待は、かつてなく高まっている。③「ふくおか子どもの医療を守る会」などの運動を契機とする「子どもの貧困」の調査報道も広がりを見せている。
 これ等の運動で得た絆・つながりを手がかりに、私たちは、国民各界・各層と連携し、社会保障を充実させ、重すぎる患者窓口負担を軽減して「いつでも、どこでも、だれでも」受診できる環境を実現する運動に邁進する。すべての国民が健康で幸せに生活できることが、保険医の経営と生活を守ることにつながると確信している。
 本日、以下の要求実現に向けて、全力を挙げて取り組むことを私たちは表明する。
― 記 ―
1、中学卒業までの子どもや、高齢者の窓口負担無料、患者窓口負担の無料・軽減を実現すること。
2、逆進性の強い不公平な消費税増税は中止すること、「社会福祉国家」にふさわしい税制の検討を行い、医療にかかわる消費税にはゼロ税率を適用し、損税の解消を図ること。
3、指導・監査は、保険医の人権と患者の療養権が確保されるよう改善すること。
4、国民の命と暮らし、食、雇用や地域経済を脅かすTPPは完全に白紙に戻し、国民生活と公的医療保険制度を脅かす貿易交渉は今後一切行わないこと。
5、疲弊した歯科医療機関の経営を改善し、よりよい歯科医療を提供するために、診療報酬の正当な評価を行うこと。
6、震災・原発被害(災)者の生活再建、医療・介護の保障を国の責任で実現すること。
7、日本国憲法を守り、暮らしに活かして、社会保障と平和を国政の基盤に据えること。
  憲法違反の安保関連法は廃止し、「共謀罪」法案はただちに破棄すること。
8、被爆国として核兵器を廃絶し、脱原発を達成して、再生可能エネルギー中心の政策に転換すること。
以上

理事会声明
共謀罪を含む「組織犯罪処罰法改正案」の参議院での廃案を強く求めます
2017年5月25日(木)
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
各政党 御中
福岡県選出国会議員 各位 
 5月23日、衆議院本会議で「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改正案」が国民世論を無視して自民、公明、維新などの賛成多数で可決された。
 この法案は、「話し合っただけ」「合意しただけ」でも処罰することが盛り込まれており、「犯罪は行為であり、思想や言論は処罰しない」という近代刑法の根本原則を覆し、メールやラインなどSNS全体が監視対象になることが国会審議でも明らかになっている。
世論調査でも「説明不十分が77%(共同通信5月20日~21日調査)」、「今国会で成立させる必要はない56.1%(同調査)」とされる中、数に物言わせて強引な採決を行ったことは問題である。
 これまでの委員会審議で、「話し合いや合意だけ」で処罰対象とすること、国際組織犯罪防止条約批准の要件にはあたらないこと、テロ対策とは無縁の対象犯罪が多く含まれ「テロ対策」には役に立たないこと、それどころか、一般市民が捜査や法適用の対象となり、任意捜査も含めて容易に市民を監視対象とすることが可能となること、など次々と問題点が浮き彫りになっている。
 このような「共謀罪」は、モノ言えぬ国民総監視社会をつくる、現代版の治安維持法であり、憲法の基本的人権の尊重を軽んじる、重大な問題がある。
対象犯罪には、向精神薬取締法、臓器移植法、感染症予防法、医薬品医療機器等法などが含まれており、医療関係者にも大いに関わってくる。捜査機関の捜査、逮捕勾留等により医療現場が萎縮することが強く懸念される。
 一方で国は、患者・国民の負担増を強めており、受けられるサービスの抑制が進んでいる。我々はこの動きに歯止めをかける必要性に迫られている。だが、私たち歯科医師による医療改善運動も「共謀罪」の標的になりかねない。
衆院法務委員会で、「テロ等準備罪」の取り調べの際の録音や録画の在り方を検討することなどを盛り込む修正が加えられ、与党は「法案の不安や懸念は払拭された」としているが、問題点は何ら解消されていない。むしろ、自白を強要した上で録音・録画が行われることさえ憂慮される。
 日弁連や各県弁護士会、刑法・憲法学者、日本ペンクラブなどが制定に反対する声明・意見表明を行っている。国連のプライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏も安倍首相宛ての公開書簡で「共謀罪」法改正案に懸念を表明している。地方自治体・公共団体も意見書を提出しており、歯科医師1,900人で構成する当協会は、市民社会の活動を阻害し、社会保障改善の活動・医療現場を萎縮させる「共謀罪」法案の参議院での廃案を強く求める。

理事会声明
「共謀罪」法案の閣議決定、国会提出に強く講義する
2016年3月30日(木)
 「犯罪」を計画段階で処罰することを可能とする「共謀罪」を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法改正案」を政府は3月21日、閣議決定し国会に提出した。
 同法案では、捜査当局が「組織的犯罪集団」と見なした団体のメンバー2人以上が犯罪の実行を合意し、そのうちの誰かが実行に移すための「準備行為」をすると罪に問われる等と規定されている。
 「準備行為」がいったいどのような行為をさすのか、また、処罰対象が捜査当局の判断に委ねられていることなど、法案にはあいまいな内容が多い。このため、捜査機関が政権に批判的な団体などを監視・処罰の対象にすることが合法化されかねない。
 医療をめぐっては、患者・国民の負担増が強められる一方、受けられるサービスの抑制が進んでおり、この動きに歯止めを掛ける必要性に迫られている。「医療改悪」真っ只中における同法案は、私たち歯科医師による医療運動も「共謀罪」の標的になるのではと懸念される。
 具体的には、医療改善を求め幅広く連携しようと広範な団体や個人に呼びかけて集会を開き政権と対峙しようと議論したりデモやパレードを企画するような場合などだ。参加者全ての思想信条を把握することは不可能なうえ、それは人権上も問題がある。しかし、仮にメンバーの中に、捜査機関が「組織的犯罪集団」の一員とみる人が紛れ込んだ場合は「共謀罪」の構成要件に該当する可能性がある。
 保険医協会だけでなく、広く医療団体が主催する各種の集会を自粛しようとの動きが強まる懸念が出てくる。これでは医療を改善して欲しいとする国民世論の期待に背くことにもなる。
 政府は、「国際組織犯罪防止(TOC)条約」を締結し、東京五輪を成功させるために同法案は欠かせないと主張する。しかし、そもそも同条約はテロ対策のものではなく、マフィアなど経済犯罪を押さえ込もうとするものだ。五輪に関しても口実に過ぎず、日本弁護士連合会もテロ対策の法整備は不要と同法案に強く反対している。
 法案は、基本的人権や市民の内心、思想及び良心の自由、集会、結社、表現の自由などを保障した日本国憲法に反しており、戦前の「治安維持法」をほうふつとさせるものだ。過去3度、類似の法案が廃案となったのにさらに4度国会に上程してきた政府に強く抗議するとともに、同法案の撤回・廃案を強く求めるものである。

TPP協定の国会承認・批准を行わないことを求めます
2016年10月25日(土)
福岡県歯科保険医協会
会 長 大崎 公司
■十分な情報開示をしないで、徹底審議を実施しないままの承認は許されません。
 TPP協定は国民の暮らしやわが国の経済に大きな影響を及ぼすものでありながら、国民の懸念や疑問に答えるだけの情報と審議時間が、もともと確保されていたとはいえず、いまなお詳細は不明なままです。「断固反対」を掲げた自民党の2012年総選挙公約や、農産物重要5品目を関税撤廃から除外すべきとした2013年国会決議との整合性も問われています。
 私たちは、交渉過程も含むTPP協定内容の十分な開示を実施すること、徹底的な審議を行うことを要請致します。
 
■公的医療保険制度が形骸化し、国民の生活と健康に大きな影響が心配です。
 私たちは、政府が明らかにしている内容だけから見ても、TPP協定はわが国の公的医療保険制度を切り崩し、国民の生活と健康を損なうものであると考えます。地域医療に従事する医師・歯科医師の団体として、下記の点から、TPP協定の国会承認を行わないよう、強く求めます。
 
(1)新薬の高止まりが続き、医療保険財政を圧迫しています。
 政府は「公的医療保険制度そのものの変更はない」としています。
 しかし、「透明性」や「手続の公正」の名の下に、公的医療保険制度の一部である医薬品の保険適用や公定価格に関するわが国の決定プロセスに、多国籍製薬企業が利害関係者として影響力を及ぼすことが懸念しています。
 また、特許期間の延長やバイオ医薬品のデータ保護期間の設定といった、多国籍製薬企業に有利なルールで、現状でも諸外国と比べて高い日本の薬価が、構造的に維持される可能性があります。
 このままでは、安価で有効な医薬品が手に入りにくくなり、患者・国民の命や健康が危険にさらされ、わが国の医療保険財政が圧迫されることにもなりかねません。
 
(2)ISDS条項導入で医療の非営利性が脅かされことに懸念します。
 現在、構造改革特区において、自由診療については株式会社による医療機関経営が認められています。保険診療を取り扱うには、保険医療機関の指定を受ける必要がありますが、国家戦略特区において外国の株式会社が、医療機関開設の許可を得たのち、当該医療機関の保険医療機関としての指定を求めて、ISDS条項の発動を求める恐れがあります。
 そうなれば、営利企業の医療への参入を招くことが懸念され、「命と健康は金儲けの対象にしない」との趣旨で現在も堅持されている医療の非営利原則が、崩されることになります。
 
(3)助け合いの共済制度が民間保険会社と同等の規制を受けるのではないかと心配です。
 当会は、会員が安心して診療に従事し、地域住民の命と健康を守る役割を果たせるよう、助け合いの制度として、全国共同で「保険医休業保障制度」を運営しています。1970年の発足以来、多くの加入者の生活や医院経営を支えてきました。
 ところがTPP協定の「金融サービス」では、すべての保険サービスが対象となっています。米国保険業界は長年、共済が事業拡大の妨げになっているとして、各団体が行っている共済制度などにも、民間保険会社と同等の規制を課すよう求めており、TPPの今後の協議において、この圧力が強まることを心配しています。   
以上

福岡県歯科保険医協会

・ふくおか女性歯科医師の会
・ふくおか子どもの医療を守る会

 
〒812-0016
福岡市博多区博多駅南1-2-3
博多駅前第一ビル8階

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月~金 9:30~17:30
  土 9:30~13:00
 
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